勇しぶ（勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。）まとめ解説

「勇しぶ」は、勇者を志していた青年が魔王討伐の夢破れ、仕方なく家電量販店のような魔道具ショップで働くという、異世界コメディ＆ラブコメ作品です。勇者ファンタジーと現代的な労働風刺を組み合わせた独特な作風が人気を博し、2013年にはアニメ化されました。ここでは、続編の可能性やアニメと原作の関係、円盤の売上などを多角的に解説していきます。

2期、続編の可能性

まず多くのファンが気になるのが、アニメ2期の可能性です。
2013年10月から12月にかけて放送された第1期は全12話で終了し、その後現在（2025年時点）まで続編の発表はされていません。

続編の可能性を判断する上で重要となるのは以下の要素です。

• 円盤の売上：後述しますが平均的な水準に届かず、続編の指標としては厳しい。

• 原作ストック：すでに完結しているため、2期を制作する分の原作は存在する。

• 需要と話題性：10年以上が経過しており、再アニメ化の機運は高くない。

結論としては、現実的に2期の可能性は極めて低いと考えられます。ただし、ここ数年は「懐かしアニメのリメイクやリブート」が再注目されているため、完全にゼロとは言えません。特に「働く」や「異世界コメディ」をテーマにした作品が再評価される流れがあれば、勇しぶにもスポットライトが当たる余地はあります。

アニメの続きはどこから読めばいい

アニメは原作小説の 第2巻中盤まで をベースにしています。
ただし、アニメは一部をオリジナル要素で締めているため、完全に原作通りではありません。

続きが気になる人は以下の読み進め方がおすすめです。

• 原作第3巻から 読むと違和感なく物語を楽しめる。

• アニメと異なる細かい描写やキャラクター関係を補完したいなら 第1巻から読み直す と理解が深まる。

原作は全10巻で完結済みなので、最後まで読むことで物語全体を味わうことができます。

円盤の売上（DVD・BD）

アニメの続編企画において、円盤売上は大きな判断基準のひとつです。

勇しぶの円盤売上は以下のように報告されています。

• 平均1500～2000枚前後 と推測される。

• 続編ラインとされる5000枚以上には遠く及ばず、商業的にはやや苦戦。

当時は「深夜ラブコメ枠」として一定の固定ファンを得たものの、大きな話題性や爆発的な人気には至りませんでした。この点が2期が実現しなかった大きな要因のひとつだと言えます。

原作のストック状況

「勇しぶ」の原作は、橘ぱん氏によるライトノベルで、全10巻完結済みです。

• 第1巻：2012年1月発売

• 第10巻：2015年2月発売（完結巻）

つまり、アニメ放送時点（2013年）ではすでに原作が進行中で、ストックは十分にありました。現在では最後まで刊行済みのため、仮に続編を作るとしても原作の供給には問題ありません。

原作の売上、発行部数

正確な発行部数は公表されていませんが、MF文庫Jのライトノベルとして一定の人気を博し、アニメ化が決まるほどの売れ行きを示しました。

• アニメ化決定時点で数十万部規模と推測される。

• 「はがない」「この中に1人、妹がいる！」などと同じく、当時のMF文庫Jのラブコメ系作品の一角を担っていた。

ただし、アニメ放送による爆発的な部数増加は見られず、中堅的なヒットに留まったと考えられます。

アニメと原作の違い

アニメと原作の違いは以下のようなポイントがあります。

1. 展開のテンポ

   • アニメは原作2巻までを短期間にまとめたため、キャラの掘り下げや心情描写がやや簡略化されている。

2. ギャグの強調

   • 原作よりもアニメはコメディ色を強く打ち出しており、視聴者が楽しみやすいテンポ感に調整。

3. エンディングのオリジナル要素

   • 最終話は綺麗にまとまるよう改変されているため、原作に続くストーリー展開と異なる部分がある。

総じて、アニメは「原作を知っている人が楽しめるライトなアレンジ版」という立ち位置です。原作を読むことで、よりキャラクターの背景や関係性が深まります。

作者の他の作品

著者の橘ぱん氏は、「勇しぶ」が代表作であり、これが最も知られた作品です。残念ながら大ヒットシリーズを複数抱えるタイプの作家ではなく、勇しぶ以降は目立った新作は出ていません。

そのため「勇しぶ」が橘ぱん氏の代表作かつ代表ブランドであり、ファンにとっては一番の注目作と言えます。

類似のおすすめ作品

「勇しぶ」が好きな人におすすめできる、雰囲気やテーマの近い作品を挙げます。

1. はたらく魔王さま！

   • 魔王が現代日本でフリーターとして働くという逆転設定。働く苦労やラブコメ要素が共通点。

2. 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる

   • ラブコメ要素とテンポ感のある掛け合いを楽しみたい人向け。

3. この素晴らしい世界に祝福を！

   • 異世界でのギャグ＆コメディ要素が好きなら必見。

4. デスマーチからはじまる異世界狂想曲

   • 異世界×日常パートをゆるく楽しみたい人向け。

5. 甘城ブリリアントパーク

   • ファンタジー世界の中で「経営・運営」をテーマにした作品。勇しぶ同様、働くことがストーリーの軸。

まとめ

「勇しぶ（勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。）」は、勇者ファンタジーと現代の労働社会を巧みに掛け合わせたユニークなラブコメ作品です。

• 2期の可能性：円盤売上不振や話題性の減少から、現時点では実現は難しい。

• アニメの続き：原作第3巻から読むのがおすすめ。

• 円盤売上：平均1500～2000枚程度で伸び悩み。

• 原作ストック：全10巻完結済み、続編制作の問題はない。

• 原作の売上：中堅的なヒット作。

• アニメとの差異：テンポやギャグの強調、最終話の改変など。

• 作者の他作品：代表作は「勇しぶ」が中心。

• 類似作：「はたらく魔王さま！」や「このすば」が特におすすめ。

総合すると、商業的には続編が難しい立ち位置にあるものの、ユニークな題材とラブコメ要素で今も根強いファンを持つ作品です。アニメで触れた人は、ぜひ原作10巻までを読み通して完結まで楽しむことをおすすめします。