『よふかしのうた』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

『よふかしのうた』とは

『よふかしのうた』（英題：Call of the Night）は、漫画家・コトヤマによる日本の漫画作品です。2019年から2024年まで小学館の『週刊少年サンデー』で連載されました。
物語の主人公は、昼間の世界に生きづらさを感じ、夜の静けさに魅了される中学2年生の少年・夜守コウ。彼は、ある夜に出会った吸血鬼の少女・七草ナズナと交流を重ねていくうちに、「自分も吸血鬼になりたい」という願望を抱き始めます。
ただし、吸血鬼になるには「吸血鬼に恋をする」ことが条件。コウはナズナに恋をしようと決意し、夜の世界で少しずつ自分の心と向き合っていきます。
夜をテーマにした幻想的な世界観、静謐で美しい街の描写、そして“夜ふかし”を通して描かれる青春の形が、多くの読者から支持を受けました。恋愛、孤独、自由、アイデンティティといった要素が重なり、他の少年漫画とは一線を画す雰囲気を持っています。

2期・続編の可能性

『よふかしのうた』のアニメ第1期は2022年7月から放送され、フジテレビ系「ノイタミナ」枠で全13話がオンエアされました。映像美と音楽演出の完成度が高く、特に夜の街並みの描写やCreepy Nutsによる主題歌が話題を呼びました。
その後、アニメ第2期の制作が正式に発表され、2025年7月より放送予定となっています。「夜はまだ終わらない」というキャッチコピーとともに、物語がより深い部分へと進むことが予告されています。

3期の情報は現時点ではありませんが、原作はすでに完結しており、映像化されていない部分も多く残っています。したがって、2期の反響次第では3期、あるいは完結編としてのアニメ化も十分にあり得ます。円盤売上や配信人気、海外展開などの総合的な評価が今後の鍵になると考えられます。

アニメの続きはどこから読めばいい？

アニメ第1期では、原作漫画の第1巻から第5巻中盤（第46話前後）までが映像化されています。
そのため、アニメ1期の続きを原作で読みたい場合は 第5巻の第47話から 読み始めるのが最も自然です。
第2期では第5巻後半から第10巻付近までの内容が描かれると予想されているため、アニメ2期終了後に続きを読みたい場合は 第10巻以降 が目安になります。
また、原作ではアニメで描かれなかった登場人物の心情や背景がより詳しく描かれているため、アニメを見た後に原作を読むと、物語への理解が一層深まります。

円盤（Blu-ray・DVD）の売上

円盤の具体的な売上枚数は公表されていませんが、業界内では「1巻あたり5000枚が続編制作の目安」とされる中、『よふかしのうた』はそれを下回ると推定されています。
とはいえ、円盤の売上だけでアニメの成否が決まる時代ではなく、現在は動画配信サービスでの視聴データ、海外ライセンス、原作売上、音楽収益なども重要視されています。
『よふかしのうた』は特に音楽面で評価が高く、主題歌を担当したCreepy Nutsの人気と合わせてブランド的な成功を収めています。そのため、円盤単体での売上が控えめでも、総合的には十分な評価を得たと考えられます。

原作のストック状況

『よふかしのうた』は2024年1月に完結し、最終巻となる第20巻が2024年3月に発売されました。
全20巻で構成されており、アニメ第1期が原作5巻あたりまでをカバーしているため、残り15巻分の内容がまだ映像化されていません。
このため、アニメ2期や3期を制作するための“原作ストック”は十分に存在します。
作品としても一貫した構成が保たれており、終盤では七草ナズナの出生や吸血鬼という存在の真実など、重厚で感動的な展開が描かれるため、完結までをアニメで見たいという声も多く上がっています。

原作の売上・発行部数

2022年の時点で累計発行部数250万部を突破、2023年には500万部を超え、最終的に2025年には 累計530万部以上 に達しています。
これは『週刊少年サンデー』連載作品としては上位に位置する数字であり、ヒット作としての地位を確立しました。
アニメ化によって売上が大きく伸びたタイプの作品であり、1期放送後には単行本が品切れになる書店も出たほどです。
また、電子書籍の販売割合も高く、深夜アニメファン層との親和性の高さが数字に表れた例だと言えます。

アニメと原作の違い

アニメは原作の世界観を丁寧に再現しているものの、演出上の違いがあります。

1. テンポと演出の変化
   　アニメではテンポを重視して一部の会話やエピソードが短縮されており、原作の静かな間や細やかな描写が省略されることがあります。

2. 映像表現による雰囲気の強化
   　アニメ版では夜の光や音楽の演出が特に高く評価されています。ネオンの光、街の空気感、静けさなど、原作の“夜の魅力”を視覚と聴覚で体験できる点が強みです。

3. 一部構成の再編
   　エピソードの順序が入れ替えられている箇所があり、より自然なストーリーの流れを意識した編集が行われています。

4. キャラクター描写の違い
   　原作ではコウやナズナの心理描写がより内面的で深い一方、アニメでは二人の距離感や関係性を映像的にわかりやすくしています。

5. ラストの扱い
   　アニメは原作完結前に制作されたため、結末までは描かれていません。アニメ2期がどこまで進むかは不明ですが、原作最終章はアニメでまだ未映像化です。

総じて、アニメは“雰囲気と感情の可視化”、原作は“心情と哲学の深堀り”という違いがあります。

作者・コトヤマの他の作品

作者のコトヤマは、『だがしかし』でデビューした人気漫画家です。
『だがしかし』は駄菓子をテーマにしたコメディ漫画で、こちらもアニメ化され、2期まで制作されています。独特のセンスとユーモア、そして日常に潜む非日常的な空気感が特徴です。
『よふかしのうた』はその流れを受けつつ、より静かで哲学的な方向に進化した作品といえます。
また、『よふかしのうた』のタイトルは、ヒップホップユニット「Creepy Nuts」の楽曲から取られており、作者が音楽やカルチャーに強い関心を持っていることが伺えます。

類似のおすすめ作品

『よふかしのうた』が好きな人におすすめの作品をいくつか挙げます。

• 『吸血鬼すぐ死ぬ』
  　吸血鬼を題材にしたギャグ作品。ナズナのような吸血鬼キャラが好きな人におすすめ。

• 『不滅のあなたへ』
  　孤独や存在意義をテーマにした幻想的な物語。人間らしさや生きる理由を問う点で共通しています。

• 『からかい上手の高木さん』
  　静かな時間と淡い恋を描く作品。コウとナズナの関係に通じる“距離感”を味わえます。

• 『ヴァンパイア十字界』
  　吸血鬼を軸にしたアクション×恋愛作品。『よふかしのうた』のダークな側面が好きな人に向いています。

• 『虫かぶり姫』や『かぐや様は告らせたい』
  　ロマンスと心理戦を楽しみたい人におすすめ。

これらの作品は、夜や孤独、人とのつながりをモチーフにしており、『よふかしのうた』の世界観が好きな読者に響きやすいでしょう。

まとめ

『よふかしのうた』は、夜にしか見えない世界と、人が抱える孤独や愛を丁寧に描いた青春ファンタジーです。
アニメ第1期の高い評価を経て、2025年7月に第2期が放送予定。3期以降も期待できる状況です。
原作はすでに完結しており、全20巻で530万部を突破。アニメ未映像化のストックも十分にあります。
アニメを見た人は原作5巻47話から続きを読むとスムーズに物語を楽しめます。
作者コトヤマの作風は、ユーモアと寂寥、そして深い人間理解に支えられており、『だがしかし』に続く代表作として確固たる評価を得ています。

夜を歩く少年と吸血鬼の少女の物語は、単なる恋愛譚ではなく、「自分がどこに属するのか」を探す旅そのものです。
『よふかしのうた』は、静かで美しい“夜の青春”を描いた、時代を代表する名作といえるでしょう。