『私の推しは悪役令嬢』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

１．２期・続編の可能性

アニメ『私の推しは悪役令嬢。』は、2023年10月から12月にかけて放送されました。
ただし、現時点では公式から第2期（続編）に関する正式な発表はありません。

続編制作が検討される際には、いくつかの要素が判断材料となります。
代表的なものは「円盤（Blu-ray・DVD）の売上」「配信での再生数」「海外人気」「原作ストックの有無」などです。

本作の場合、アニメの放送後にファンの間では好意的な感想が多く、特に主人公・レイと悪役令嬢クレアの関係性を評価する声が多く見られました。
しかし、円盤売上などの指標を見る限り、商業的に“爆発的な成功”とまでは言えず、アニメ2期の実現にはややハードルがあると見られています。

とはいえ、海外での百合アニメ人気や、原作が依然として連載中である点から、将来的な続編の可能性は完全にゼロではないといえるでしょう。

２．アニメの続きはどこから読めばいいか

アニメ版は、全12話構成で放送され、内容的には原作コミカライズ版の5巻あたりまでが描かれました。
原作は以下の3媒体で展開されています。

• 小説版（GL文庫）：全5巻で完結済み。電子書籍中心で展開されました。

• ノベルス版（Revolutionシリーズ／一迅社）：こちらはリメイク的な再構成版で、現在も刊行中です。

• コミカライズ版（作画：青乃下／一迅社コミック百合姫連載）：2025年10月時点で10巻以上刊行中。連載は継続しています。

アニメで描かれた部分は、クレアとレイの関係が大きく動き出すところまで。
そのため、アニメの続きを知りたい場合は、コミカライズ版の6巻から読むとスムーズです。

また、小説版ではアニメにない描写や心理描写が多数あるため、物語の奥行きをより楽しみたい方は、小説第3巻以降から読むのもおすすめです。

３．円盤の売上（DVD・BD）

アニメ続編の可否を左右する指標のひとつが円盤（Blu-ray・DVD）売上です。
『私の推しは悪役令嬢。』のBlu-ray BOX（初回限定版）は2024年2月に発売されましたが、推定売上枚数はおよそ400〜500枚前後とされています。

アニメ業界では、一般的に「平均5000枚以上売れれば黒字」「2000枚前後で採算ライン」「1000枚未満は厳しい」といわれています。
そのため、本作の円盤売上はかなり低めの部類に入り、円盤売上だけで2期を期待するのは難しい状況といえます。

ただし、現在は円盤売上よりも「配信契約・海外配信・グッズ・イベント動員」などが収益の中心であり、
特に海外百合アニメ市場では高評価を得ているため、こうした指標次第では続編に光が見える可能性もあります。

４．原作のストック状況

続編制作には「原作のストック量」も重要です。
『私の推しは悪役令嬢。』の原作ストック状況は次の通りです。

• GL文庫版（全5巻）：既に完結しており、アニメ範囲を超える十分なストックがあります。

• 一迅社ノベルス版（Revolutionシリーズ）：こちらは改稿版にあたり、続刊中。新規エピソードも加筆されています。

• コミカライズ版：2025年時点で10巻以上刊行され、ストーリーは継続中。

つまり、原作ストックは豊富で、アニメ2期を制作するうえでの素材は十分に揃っているといえます。

５．原作の売上・発行部数

『私の推しは悪役令嬢。』は、2023年時点でシリーズ累計発行部数50万部突破が報じられました。
百合系作品としては非常に高い水準であり、一般的なライトノベルでもヒット作といえる規模です。

ただし、100万部を超える大規模ヒット作と比べるとやや控えめであり、
「人気作だが超メジャータイトルではない」という位置づけになります。

また、コミカライズ版の電子書籍売上は安定しており、百合姫誌上でも上位の人気を維持しています。
安定した支持層を持つ中堅クラスの人気作品といえるでしょう。

６．アニメと原作の違い

アニメ版と原作（小説・漫画）には、構成・描写にいくつかの違いがあります。

1. テンポと構成の違い
   　アニメは1クール（全12話）に収めるため、原作での丁寧な心理描写や細かいエピソードが一部省略されています。
   　その分テンポ重視で見やすく、百合ラブコメとして分かりやすく仕上げられています。

2. 内面描写の深さ
   　原作では主人公レイの“オタク気質”や“社会人としての視点”が詳細に描かれており、彼女の「推しへの情熱」や「倫理観の揺れ」がより深く表現されています。
   　アニメでは視覚的な演出やギャグ要素が増えており、感情表現がシンプルになっています。

3. キャラクターの印象の違い
   　クレア・フランソワの描き方も、原作ではツンデレを超えた“高貴で誇り高い女性”としての一面が強く、
   　アニメではよりコミカルで愛嬌あるキャラクターに調整されています。

4. カットされたイベント
   　一部のサブキャラ視点のエピソードや、ゲーム世界の細かいルール説明などはアニメで省略されています。

つまり、アニメは入門編として、原作は深読み・補完用として楽しむ構成になっています。

７．作者の他の作品

原作者の**いのり。**は、百合系・転生系ジャンルを得意とするライトノベル作家です。
代表作である『私の推しは悪役令嬢。』のほかに、以下のような作品も手掛けています。

• 『平民のくせに生意気な！』：同じ世界観を共有するスピンオフ的作品。脇役視点から描かれる物語です。

• 短編・掌編などのWeb連載：小説投稿サイトで複数の百合作品を発表しています。

いのり。の作風は、ユーモアと社会的テーマを掛け合わせるのが特徴で、
「推し」という概念を通じて恋愛・自己肯定感・人間関係を描くのが得意です。

８．類似のおすすめ作品

『私の推しは悪役令嬢。』のように「悪役令嬢」「乙女ゲーム」「百合」をテーマとする作品が増えています。
近しい雰囲気を持つおすすめ作品をいくつか挙げます。

• 『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』
  　悪役令嬢と魔王の恋を描いた、ファンタジーラブコメ。設定の豪華さと展開の明快さが魅力。

• 『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』
  　ループ系×悪役令嬢という新しい切り口で、戦略的な恋愛と政治ドラマを両立させた人気作。

• 『自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。』
  　乙女ゲーム転生ものの中でも、コメディ寄りで優しい雰囲気のある作品。

これらはすべて「転生×悪役令嬢×恋愛」ジャンルに分類され、
『私の推しは悪役令嬢。』を楽しんだ読者にとって親和性の高いシリーズです。

９．まとめ

『私の推しは悪役令嬢。』は、乙女ゲーム世界に転生した主人公が「推しの悪役令嬢を幸せにしたい」という純粋な願いを描いた百合ファンタジー作品です。

• アニメ第2期の正式発表は現時点でなし。

• 続編の可能性は低めだが、海外人気と原作ストックの豊富さから、将来的な展開はあり得る。

• アニメの続きはコミカライズ第6巻から。

• 円盤売上は400枚前後で低調。

• 原作シリーズ累計発行部数は50万部突破。

• アニメと原作ではテンポと心理描写の深さに違いがある。

• 作者いのり。は百合系作家として定評があり、スピンオフも展開中。

• 類似作品として『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』などが挙げられる。

総じて、本作は「推し」という現代的な感情をベースに、
百合×転生×悪役令嬢というトリプル要素を見事に融合させた名作です。
アニメで魅了された人は、原作でさらに深くレイとクレアの関係を味わうことを強くおすすめします。