『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い！』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

2期・続編の可能性

アニメ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い！』（通称「わたモテ」）は、2013年7月から9月までSILVER LINKによって制作・放送されました。放送当時はインターネットを中心に話題となり、主人公・黒木智子（通称“もこっち”）の痛々しくも共感を呼ぶキャラクター性が注目を集めました。

しかし、現時点で第2期・続編の正式な制作発表はありません。ファンの間でも「2期の可能性は低い」とする見方が多く、その主な理由は円盤の売上不振にあります。
アニメ制作業界では、1巻あたり平均5000枚以上の円盤売上があれば黒字・続編可能ラインとされていますが、『わたモテ』の円盤売上は1000枚前後とされています。この数値では制作委員会として続編を企画するのは難しく、製作費の回収が厳しい状況です。

一方で、原作漫画が現在も連載中であること、SNSやコミュニティで根強い人気を保っていることから、完全に続編が絶望的というわけではありません。特に2020年代に入り、過去作の“再評価リメイク”や“続編制作”の事例が増えているため、今後の動向次第では復活の可能性も残されています。

結論としては、現時点で2期・続編は発表されておらず、可能性は低いがゼロではないというのが実情です。

アニメの続きはどこから読めばいいか

アニメ第1期は、原作漫画の第1巻から第3巻までの内容を中心に構成されています。つまり、アニメを視聴済みの方が“続き”を読みたい場合は、原作の第4巻から読み始めるのがベストです。

ただし、アニメ版では一部のエピソードがカット・再構成されているため、原作1〜3巻を読み直すと新たな発見があります。漫画版では、もこっちの内面描写やモノローグがより丁寧に描かれており、アニメで表現しきれなかった“共感性羞恥”や“孤独感”が深く味わえます。

また、漫画はアニメのその後を大きく進展させ、登場人物の成長・人間関係の変化をよりリアルに描いていきます。高校生活も中盤から後半に差し掛かるにつれ、「友達が増えていくもこっち」という物語の変化が見どころになります。

円盤（DVD・BD）の売上

アニメ『わたモテ』のBlu-ray/DVD売上は、平均で約1000～1500枚とされています。これはアニメ業界の基準で見るとかなり低い数字です。
当時の円盤市場はまだ活発でしたが、作品の内容が「共感できるが重い」「笑いより痛みが勝る」と受け取られたこともあり、一般層には広く受け入れられませんでした。

この売上結果により、制作委員会としては続編制作の採算が見込めないと判断された可能性が高いです。ファンの中でも「円盤が売れなかったから2期は難しい」という認識が広まりました。

ただし、近年ではBlu-ray売上よりも配信収益・電子書籍・グッズ展開が重視される傾向にあります。わたモテの場合、漫画の電子版が人気を保ち続けており、一定の収益源として機能している点は評価されています。

原作のストック状況

原作漫画『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い！』は、2011年8月からスクウェア・エニックスのウェブ雑誌「ガンガンONLINE」で連載開始。2025年時点でも連載が続いており、単行本は第27巻前後まで刊行されています。

アニメ第1期が描いたのは序盤の高校1年生時代中心のエピソードであり、その後の展開は大きく変化します。もこっちが少しずつ人と関われるようになり、仲間や友達ができ、日常が“ぼっちコメディ”から“青春群像劇”へと進化していきます。

このように、アニメ化範囲以降には豊富なストックがあり、仮に続編が制作される場合でもエピソード不足の心配はまったくありません。

原作の売上・発行部数

原作漫画の人気は高く、2012年12月時点で累計100万部を突破、2013年7月には150万部を超えました。現在では電子書籍版も含めると累計300万部以上と推定されています。

初期の巻は特に反響が大きく、SNSを中心に「痛いけど笑える」「過去の自分を見ているようだ」という共感の声が広がり、話題作となりました。その後も安定した売上を維持しており、特に中盤以降の“もこっち成長編”では女性読者の支持も増えています。

このように、アニメがやや低調でも原作の人気は持続しており、コミックス単体としての成功度は高いです。

アニメと原作の違い

アニメ版と原作にはいくつか明確な違いがあります。

1. 構成とテンポの違い
   　アニメは12話構成のため、原作エピソードを抜粋・再構成しており、順番も一部入れ替えられています。そのため、時系列の流れやキャラクターの印象が原作と微妙に異なります。

2. 心理描写の密度
   　漫画ではもこっちのモノローグが非常に多く、彼女の自意識や孤独感がよりリアルに伝わります。一方、アニメではテンポを重視しており、心理面の深堀りはやや控えめです。

3. 演出の方向性
   　アニメはコメディ色が強く、ギャグや表情演出に誇張があります。原作はより“痛くて苦しい笑い”を重視し、現実的な空気感を残しています。

4. キャラクターの描かれ方
   　アニメでは“もこっち視点”が中心ですが、原作では巻を追うごとに他キャラ視点も増え、群像劇としての深みが増しています。特にねも・ゆうちゃん・加藤さんなど、もこっち以外の人物の人間関係が丁寧に描かれています。

このため、アニメは「導入として最適」、漫画は「作品の本質を味わう完全版」と言えるでしょう。

作者の他の作品

作者・谷川ニコは、基本的に「わたモテ」を中心に活動しています。代表的な関連作として以下があります。

• スピンオフ4コマ『私の友達がモテないのはどう考えてもお前らが悪い。』

• 特別描き下ろし・ファンブック形式の短編漫画集

• イベント・サイン会で発表された限定イラストや番外編

他の長期連載はほぼなく、『わたモテ』が谷川ニコの代名詞的存在となっています。
そのため、作風・テーマの特徴も「内向的な少女の視点」「痛々しさの中のユーモア」「孤独のリアリティ」といった“わたモテ的感性”に集約されています。

類似のおすすめ作品

『わたモテ』が好きな人には、次の作品もおすすめです。

• ぼっち・ざ・ろっく！
  　極度の人見知り少女がバンドを通して成長していく青春物語。痛さと温かさのバランスが近い。

• 干物妹！うまるちゃん
  　外では完璧、家ではぐうたらという二面性のギャップコメディ。人間関係の緩い温かさが共通。

• やがて君になる
  　人間関係の距離感や自意識のもどかしさを丁寧に描いた青春ドラマ。内面描写がわたモテに近い。

• 中二病でも恋がしたい！
  　過去の自分を恥じる“黒歴史”との向き合いを描いた作品。共感と痛みの構造が類似。

これらはいずれも「内気な主人公」「他人とのズレ」「孤独の中のユーモア」を共通テーマとしており、わたモテファンには刺さりやすいラインです。

まとめ

『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い！』は、社会的に不器用な女子高生・黒木智子を通して、思春期の孤独・焦燥・自己嫌悪をコミカルに描いた傑作です。
アニメの売上が伸びず2期の可能性は低いものの、原作漫画は今なお続き、ストーリーも進化を遂げています。

アニメを観て気になった人は、第4巻以降の漫画を読むことで続きの世界を楽しめます。アニメでは描かれなかった心理描写やキャラ成長がより深く味わえるでしょう。
作品のテーマである「他人と比べて苦しむ自分」や「痛みの中の笑い」は、今も多くの読者に共感を呼びかけます