『月とライカと吸血姫』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

作品概要

『月とライカと吸血姫（つきとライカとノスフェラトゥ）』は、牧野圭祐によるライトノベル作品で、イラストをかれいが担当しています。小学館ガガガ文庫より2016年12月20日に第1巻が発売され、2021年10月19日に第7巻で完結しました。
物語の舞台は第二次世界大戦後、冷戦構造を模した架空の世界。人類と吸血種族（ノスフェラトゥ）が共存しつつも差別が残る社会で、宇宙開発競争が国家間で進められています。
吸血鬼の少女イリナ・ルミネスクと、人間の宇宙飛行士候補レフ・レプスが「月」を目指す姿を描いた、SF×ヒューマンドラマ作品です。
2021年秋にはアニメ化され、全12話が放送されました。アニメ制作はアルボアニメーションが担当しています。

2期・続編の可能性

現在のところ、『月とライカと吸血姫』のアニメ第2期や続編の公式発表はありません。

続編が難しい理由

• 原作は全7巻で完結しており、物語として明確な終着点を迎えています。

• アニメ1期ではおおむね原作の主要ストーリーを描き切っており、続編を作るための未映像化部分は多くありません。

• 円盤（Blu-ray／DVD）の売上が伸び悩んでおり、商業的には続編制作の判断材料としては弱いと考えられます。

続編が作られる可能性

• 原作にはスピンオフ小説『銀河鉄道の夜を越えて ～月とライカと吸血姫 星町編～』が存在し、世界観を拡張した外伝としての映像化余地はあります。

• 海外評価は比較的高く、映像美や主題歌などで一定のファン層を獲得しています。

• 「原作完全版」「再構成版」などの形で新展開が発表される可能性もわずかに残っています。

総合的に見て、現時点では続編の可能性は低いが、スピンオフや特別編としての再アニメ化の余地はあるという状況です。

アニメの続きはどこから読めばいいか

アニメ版は原作の5巻あたりまでを映像化したとされます。
物語のクライマックスである「月面着陸編」は、原作第6巻「月面着陸編・上」と第7巻「月面着陸編・下」に描かれています。

そのため、
アニメを見た後に続きを知りたい場合は、原作の第6巻から読むのが最適です。
また、原作ではアニメでは省略された背景描写や登場人物の心情描写が詳しく描かれているため、最初から読み直しても別の楽しみ方ができます。

円盤（DVD・Blu-ray）の売上

アニメ版『月とライカと吸血姫』の円盤売上は公的なデータが少ないですが、推定値として以下のような数字が報告されています。

• 第1巻Blu-rayの推定販売枚数：約700枚前後

• 売上ランキング圏外の週も多く、一般的な「続編を期待できるライン（平均4,000枚以上）」には届いていません。

したがって、円盤売上の観点から見ると続編の可能性は低いと言えます。ただし、配信視聴数や海外配信収益は非公開のため、完全に失敗と断定はできません。

原作のストック状況

• 原作ライトノベル：全7巻で完結済み。

• コミカライズ版：作画・掃除朋具により連載され、全2巻で完結。

• スピンオフ小説：『銀河鉄道の夜を越えて～月とライカと吸血姫 星町編～』が刊行。

原作はすでに完結しており、アニメ化できる新規ストックは存在しません。ただし、スピンオフを基にした新作アニメやOVA展開は理論的に可能です。

原作の売上・発行部数

公的な累計発行部数の発表はありませんが、ライトノベルの販売データを参照すると以下の通りです。

• 原作第1巻の初動推定売上：約5,000部前後

• コミカライズ版第1巻の推定売上：約15,000部前後

• シリーズ累計発行部数は10万部規模以下と見られています。

大ヒットというよりは、「コアなSF・人間ドラマファンに支持された中規模作品」という評価です。

アニメと原作の違い

アニメは原作を忠実に再現しながらも、テンポや構成の都合で一部が改変・省略されています。

共通点

• 東西冷戦をモチーフにした国家間の宇宙開発競争。

• 吸血鬼（ノスフェラトゥ）と人類の差別構造。

• イリナとレフの絆、夢、そして「月への挑戦」というテーマ。

違い・省略点

• 原作では国家内部の陰謀や人権問題、政治的圧力などがより詳しく描かれている。

• 吸血鬼としての生理的特徴や、夜間訓練の描写なども小説版の方が細かい。

• 一部登場人物（サブキャラクター）の描写や背景エピソードがアニメでは簡略化。

• アニメ最終話は原作に比べ、やや希望的な終わり方で締めくくられている。

アニメは全体的に「ビジュアルと感情表現重視」、原作は「思想と背景設定重視」という方向性の違いがあります。

作者・牧野圭祐の他の作品

牧野圭祐（まきのけいすけ）は、SF・ファンタジー・青春群像劇を得意とする作家です。代表作は以下の通りです。

• 『幻奏のティアラ』シリーズ（角川スニーカー文庫）

• 『しあわせのかけら』シリーズ

• 『銀河鉄道の夜を越えて ～月とライカと吸血姫 星町編～』（スピンオフ）

彼の作品の特徴は、繊細な心理描写と「科学技術×人間性」というテーマ性のバランスです。『月とライカと吸血姫』では、冷戦構造と異種族の差別を宇宙開発という舞台で見事に融合させています。

類似のおすすめ作品

『月とライカと吸血姫』が好きな人におすすめできる、雰囲気やテーマの近い作品を紹介します。

• 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
  → 感情表現・人間ドラマ重視のSF的世界観。感動の系統が近い。

• 『イリヤの空、UFOの夏』
  → 少年少女×宇宙・科学・切ない恋愛という構造が類似。

• 『ノーゲーム・ノーライフ』
  → 種族間競争と理知的戦いがテーマ。設定の壮大さが共通。

• 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』
  → 政治・戦争・技術・理想をテーマにしたSF群像劇。

• 『ヴィンランド・サガ』
  → 異なる価値観を持つ人々の衝突と成長を描くドラマ。

どの作品も「種族・国家・理想・人間性」という共通要素を持ち、『月とライカと吸血姫』と似た読後感を得られます。

まとめ

『月とライカと吸血姫』は、

• 人類と吸血鬼という異種族が共存する冷戦世界を舞台に、

• 宇宙という“人類の夢”を通して差別や希望を描く、

• 重厚で感動的なSF青春ドラマです。

アニメは1期で完結しており、2期の発表は現時点でありません。
続きが気になる人は、原作第6巻「月面着陸編・上」から読むのがベスト。
円盤売上は低調ですが、作品としての完成度は高く、文学的SFとしても評価されています。

牧野圭祐の筆致によって描かれる「夢」「孤独」「理解し合うことの尊さ」は、ジャンルを超えて心に残るものがあります。
静かで叙情的な物語が好きな読者・視聴者に特におすすめの一作です。