『ティアムーン帝国物語』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

2期、続編の可能性

アニメ2期の可能性を考える上で重要となるのが、円盤（Blu-ray・DVD）の売上、配信人気、原作ストック、そして作品全体の注目度です。

まず、円盤の売上に関しては初動が600枚台程度と推定されており、数字的には高いとは言えません。アニメ業界では、2,000枚を超えると黒字ライン、5,000枚を超えると続編が期待できると言われています。したがって円盤だけを見ると、2期制作の後押し要因にはなりにくいでしょう。

しかし一方で、『ティアムーン帝国物語』は配信人気が高く、海外配信プラットフォームでも注目を集めました。特に北米・ヨーロッパ圏では「Reborn Princess（再誕した姫）」というテーマが好評で、英語圏のファンコミュニティも形成されています。

また、原作の累計発行部数は200万部を突破しており、アニメ化後に部数を大きく伸ばしています。この発行部数は中堅ライトノベル作品としてはかなりの成功と言えます。さらに、原作小説はまだ完結しておらず、ストックも豊富であるため、続編の制作環境としては十分整っています。

以上を踏まえると、アニメ2期の可能性は「やや低めだが、十分にあり得る」と言える状況です。円盤単体では厳しいものの、配信人気や海外評価を考慮すれば、制作サイドが投資に踏み切る可能性も残されています。

アニメの続きはどこから読めばいいか

アニメ1期は原作ライトノベルの第2巻あたりまでの内容を描いています。したがって、アニメの続きを知りたい場合は、ライトノベル第3巻から読み始めるのがおすすめです。

第3巻以降では、ミーアが帝国の安定を保ちながら、他国との関係改善に乗り出すエピソードが展開されます。また、処刑の原因となった「帝国内の腐敗や反乱勢力」との本格的な対立も始まり、物語がよりシリアスな方向へ進みます。

なお、漫画版（@COMIC 版）は原作に忠実に描かれていますが、進行速度が遅いため、最新話まで読んでもアニメ1期終盤付近の内容にとどまっています。したがって、ストーリーの先を知りたい場合は、書籍版ライトノベルを読む方が早道です。

円盤（DVD・Blu-ray）の売上

『ティアムーン帝国物語』の円盤は2023年12月から順次発売されました。初週の推定売上は600〜700枚前後とされ、現行アニメ市場では控えめな数字です。一般的に2期が制作されるためには、1巻あたりの売上が2000枚以上であることが望ましいとされています。

ただし、昨今のアニメ業界では、円盤よりも「配信再生数」「海外ライセンス契約」「グッズ売上」「原作本の売上増加」といった要素が重要視される傾向にあります。『ティアムーン帝国物語』も配信プラットフォームでは好調であり、円盤売上の低さが続編の完全な障壁になるとは限りません。

原作のストック状況

原作ライトノベルは2025年現在、第18巻まで刊行されています。アニメ1期では第2巻までしか映像化されていないため、実に16巻分以上のストックが残っている計算になります。つまり、原作素材は豊富にあり、2期どころか3期・4期まで作れるだけの分量があります。

また、コミカライズ版も10巻前後まで刊行されており、物語の中盤に差し掛かっています。原作が未完で連載中であるため、今後もストックは増えていく見込みです。

原作の売上・発行部数

『ティアムーン帝国物語』のシリーズ累計発行部数は200万部を突破しています。これはライトノベル業界では上位15％に入るヒット規模です。特にアニメ放送以降は書店での売上が大幅に伸び、既刊の増刷が相次ぎました。

初期は85万部程度だったものの、アニメ化によって一気に倍増した形です。電子書籍の売上比率も高く、若年層や女性読者からの支持も多いことが特徴です。漫画版も安定した売れ行きを見せており、全体としてメディアミックス効果に成功したタイトルと言えるでしょう。

アニメと原作の違い

アニメ化にあたっていくつかの改変・省略が行われています。

1. 心理描写の簡略化
   　原作ではミーアの内心描写が非常に細かく、独特のテンポとギャグセンスが魅力です。しかしアニメでは時間の制約上、ナレーションでまとめられるか、演技・セリフに置き換えられました。

2. 政治的背景や派閥争いの省略
   　帝国の内部構造や政治描写の一部は省略され、より分かりやすく、テンポ重視の構成になっています。

3. サブキャラクターの登場順・比重の変更
   　一部のキャラクターは登場が前後したり、役割が簡略化されたケースがあります。アニメではミーアの魅力を中心に据えた構成が採用されました。

4. 演出面での補完要素
   　原作にはないコメディシーンや視覚的なギャグ演出が追加され、アニメならではのテンポ感が生まれています。

総じて、アニメはテンポと雰囲気を重視した構成であり、政治劇としての深みやミーアの成長をより深く味わいたい場合は、原作を読むとさらに理解が深まります。

作者・餅月望の他の作品

餅月望はライトノベル作家として2000年代から活動しており、『ティアムーン帝国物語』が代表作となりました。他の主な著作には以下のような作品があります。

• 『ロイヤル☆リトルスター』（スーパーダッシュ文庫）

• 『ある朝、ヒーローの妹ができまして。』

• 『超潜航学園デルファータ』

• 『カトリングガール　虫好きな女子って変ですか？』

いずれもファンタジーや学園ものを中心とした作品で、独自のユーモアと世界観づくりに定評があります。

類似のおすすめ作品

『ティアムーン帝国物語』が好きな人におすすめの作品をいくつか紹介します。

• 『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』

• 『Re:ゼロから始める異世界生活』

• 『転生したらスライムだった件』

• 『悪役令嬢レベル99』

• 『公女殿下の家庭教師』

• 『薬屋のひとりごと』

これらは転生・政治劇・コメディといった要素を共通して持っており、ティアムーン帝国物語と親和性が高い作品群です。

まとめ

『ティアムーン帝国物語』は、自己中心的な姫が過去をやり直すことで帝国を救うという「転生×政治×コメディ」作品です。保身から始まる行動が結果的に世界を救うという皮肉と温かみのある構成が、多くの読者を魅了しました。

アニメ第1期は原作序盤を丁寧に描いており、原作には十分なストックがあるため、2期制作は可能な状況です。円盤売上は低めですが、発行部数の伸びと配信人気を考えると、続編の可能性は依然として残されています。

もし続きが気になる場合は、原作ライトノベル第3巻から読むのが最適です。ミーアの奮闘と、帝国の行く末をより深く楽しむことができるでしょう。