『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』とは

本作は、著者・謙虚なサークル、キャラクター原案・メルによるライトノベル作品です。もともとは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載され、後に講談社ラノベ文庫から書籍化されました。さらにコミカライズ版が「マガジンポケット」で連載され、アニメ化も果たした人気シリーズです。

物語は、魔術の探求にすべてを捧げた一人の凡人魔術師が、無念のうちに命を落としたことから始まります。彼は「もっと魔術を極めたかった」という強い未練を抱えたまま転生し、今度は強大な魔術の血統を持つサルーム王国の第七王子・ロイド＝ディ＝サルームとして新たな人生を歩みます。前世では才能や環境に恵まれず限界を感じていた彼ですが、今世では「才能・血筋・地位」のすべてを手に入れ、自由な立場で魔術研究を極めることを選びます。

本作の魅力は、単なるバトルやチート無双にとどまらず、「魔術」という学問への純粋な探求心に重きを置いている点です。ロイドは強敵を倒すためではなく、あくまで知識を深め、魔術そのものを理解しようとする姿勢を貫きます。その結果、戦闘や研究の両面で常識を覆す成果を上げ、周囲を驚かせながらも、自らの理想を追求していきます。

1. 2期・続編の可能性

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』は、2024年春にアニメ第1期が放送され、非常に好評を博しました。2025年7月には第2期が放送開始され、ロイドの更なる成長と、物語の中核に関わる「教会編」へと突入しています。

シリーズの発行部数は2025年時点で累計800万部を突破しており、原作・コミカライズともに高い人気を維持しています。アニメ第2期の終了後も、原作のストックが十分にあることから、第3期制作の可能性は高いとみられています。

ただし、続編制作は円盤売上・配信視聴数・グッズ収益など複合的な要因に左右されるため、公式発表がない現段階では「期待値が高い段階」と言えます。ネット上の反響や原作人気の持続を踏まえれば、第3期発表が行われる可能性は十分にあるでしょう。

2. アニメの続きはどこから読めばいいか

アニメ第1期では、原作小説の第1巻から第2巻にあたるエピソードが描かれています。第2期ではそれに続く「教会との対立」「禁呪研究」「魔族との戦闘」といった展開が中心で、おおよそ原作第3巻から第5巻の内容が映像化されています。

そのため、アニメ第2期を視聴済みの読者が物語の続きを楽しみたい場合は、ライトノベル第6巻以降から読み始めるのが最適です。
コミカライズ版を追う場合も、単行本第18巻以降がアニメ未映像化エピソードに該当します。

原作小説はアニメよりも細かい魔術理論や登場人物の心理描写が丁寧に描かれているため、アニメを見た後に読むことで、作品世界の奥行きをより深く味わうことができます。

3. 円盤の売上（DVD・BD）

アニメ円盤の売上は公式に細かく公表されていませんが、推定ではBlu-ray第1巻が発売初週で500〜700枚前後と報告されています。数字としては大ヒットとまではいかないものの、円盤以外の要素――特に配信サービスでの再生数や海外人気――が高いため、作品全体の商業的成功度は決して低くありません。

特に、北米やアジア地域での配信が好調で、英語圏・中国語圏のSNSでも話題になったことから、グローバル市場での収益がアニメ2期・3期の制作支援に繋がる可能性があります。

4. 原作のストック状況と発行部数

ライトノベル版は2020年から刊行が始まり、2025年時点で既刊9巻。物語は中盤を過ぎ、まだまだ展開が続く状況です。
また、講談社の「マガジンポケット」で連載中のコミカライズ版は、既刊20巻に達しています。アニメが扱った範囲は原作の半分にも満たないため、アニメ化できるストックは十分に残っています。

発行部数については、シリーズ累計で800万部突破。異世界転生ジャンルの中でもトップクラスの人気を誇り、安定した読者層を維持しています。特にアニメ化後には既刊の売上が再び伸び、関連グッズやキャラクターブックの展開も進行中です。

5. アニメと原作の違い

アニメ版はテンポ重視の構成になっており、原作で詳細に描かれている魔術理論や研究描写が省略されている部分があります。特に、魔術式の構成や理屈、ロイドの思考過程は小説版の方が圧倒的に深く、専門的な表現も多いです。

一方、アニメでは演出・作画・音楽によって視覚的な爽快感が強化されており、バトルシーンの迫力やキャラクターの可愛らしさが際立っています。
つまり、原作＝知的・理論的な面白さ、アニメ＝ビジュアル的爽快感という住み分けがなされています。

また、原作では登場人物同士の心理的な駆け引きや成長過程がより丁寧に描かれており、ロイドが「魔術を極めたい」という純粋な情熱と、「それを利用しようとする周囲」との対比も深みを増しています。

6. 作者・謙虚なサークルの他作品

謙虚なサークル氏は、異世界・転生・無双ジャンルを中心に複数の作品を執筆しています。代表作には以下のようなものがあります。

• 『国を追われた竜師さん、拾われた隣国でうっかり無双してしまう。～弱小国家が大陸最強の竜の楽園になるまで～』

• 『転生王子は錬金術で世界を変える』

• 『竜使いの弟子は王女になりました』

いずれも「知識」「努力」「転生」「魔法・技術の応用」をテーマにしており、「第七王子」に通じる構造を持っています。主人公が自らの知識と探求心によって地位を築いていくという展開が多く、理知的な成り上がり物語を好む読者には相性が良い作風です。

7. 類似・おすすめ作品

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』に近い世界観・テーマを持つおすすめ作品を挙げます。

• 『無職転生 ～異世界行ったら本気だす～』
  　→ 同じく魔術を中心に据えた転生ファンタジーの金字塔。魔法体系の緻密さやキャラ成長が秀逸。

• 『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』
  　→ 王族・貴族社会を舞台に知識と才能で成長する系譜。社会的立場と努力の融合が近い。

• 『賢者の孫』
  　→ 転生＋魔法無双という構図が酷似。軽快なテンポとユーモアが特徴。

• 『Re:ゼロから始める異世界生活』
  　→ 異世界転生における精神的成長や戦略的行動を描く点で共通性あり。

これらの作品は、いずれも「異世界」「魔術」「努力」「才能」「無双」といった共通テーマを軸に展開されており、「第七王子」が好きな読者には親和性の高いタイトルです。

8. まとめ

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』は、転生ファンタジーの王道要素を踏襲しながら、「魔術研究」という独自の切り口で差別化された作品です。主人公・ロイドの飽くなき探求心と、彼を取り巻く王族社会・魔術の体系が重厚に描かれており、無双系ながら知的満足感を与える構成が魅力です。

アニメは第2期まで展開され、今後も第3期や劇場版などの展開が期待されています。原作のストックも潤沢で、シリーズの発行部数も右肩上がり。アニメから入ったファンが原作へと流れる好循環が生まれています。

アニメで物語を楽しんだ後は、ぜひライトノベル第6巻以降、またはコミカライズ第18巻以降を読むことで、アニメ未収録の物語を深く味わうことができます。

知識欲、努力、探求心――そうしたテーマが好きな読者にこそ、この作品は長く楽しめる一本です。