『進化の実』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

2期・続編の可能性

本作は2021年10月に第1期アニメ『進化の実〜知らないうちに勝ち組人生〜』が放送され、続いて2023年1月には第2期『真・進化の実〜知らないうちに勝ち組人生〜』が放送されました。
監督は第1期が奥村よしあき、第2期は深瀬重が担当。アニメーション制作はHOTLINEが手掛けています。

では、今後「第3期」や「続編」の可能性があるのかを整理します。

まず、現時点（2025年）では第3期制作の公式発表はありません。
ただし、以下のような観点から、続編の可能性が一定程度あるとみられています。

1. 原作のストックが十分にあること。
   　原作はすでに完結しており、アニメが使用していないエピソードも多く残っています。

2. シリーズ知名度が安定していること。
   　いわゆる“なろう系アニメファン”層に一定の支持があり、海外配信でも視聴者が存在します。

3. 2期まで制作された前例があること。
   　1期で完結せず2期が放送されたという事実は、制作サイドの採算が取れている可能性を示します。

ただし、マイナス要素としては、円盤（Blu-ray・DVD）の売上が非常に低い点が挙げられます。後述しますが、1期は初動300枚前後とも言われており、通常のヒット基準（初動2000〜3000枚）には遠く及びません。そのため、円盤販売だけを基準にすれば「3期の実現は厳しい」と考えられます。

一方で、最近は配信収益や海外展開の重要性が高まっているため、配信人気やグッズ・イベント収益などが良ければ第3期の制作も十分にあり得ます。
総合的に見て、現状は「制作可能な要素はあるが、採算次第」というグレーな状態といえます。

アニメの続きはどこから読めばいいか

アニメ第1期は、原作ライトノベルの第1巻〜第4巻程度の内容をもとに構成されています。
第2期『真・進化の実』では、第5巻〜第9巻あたりまでが映像化の対象です。

そのため、アニメ第2期をすべて視聴済みの人が原作の続きを知りたい場合は、原作ライトノベルの第10巻から読み始めるのがおすすめです。
アニメ版ではテンポの都合で一部省略や改変があるため、ストーリーを完全に追いたい場合は第5巻あたりから復習し直しても良いでしょう。

円盤の売上（DVD・BD）

アニメ化作品の継続可否に影響する重要な要素が円盤売上です。
『進化の実』の場合、データによると第1期Blu-rayの初動売上はおよそ300枚前後とされています。これは深夜アニメとしてはかなり低い数字で、商業的には“赤字ライン”に近い水準です。
第2期の円盤販売データは公表されていませんが、関連ショップの予約状況などから推測するに、同等かそれ以下と見られています。

つまり、「円盤販売」という観点では続編を期待しにくいのが現状です。ただし、現在のアニメ市場は「配信視聴」「グッズ」「原作販促」などを含めた総合的なビジネスモデルになっており、円盤売上だけで判断するのは時代遅れでもあります。

原作のストック状況

原作ライトノベルは、モンスター文庫より全15巻で完結済みです。
完結しているため、アニメで使用していないエピソードはまだ多数残っており、制作上の“ストック不足”はまったくありません。
アニメ第2期が9巻付近までを扱っているため、まだ6巻分ほどの未映像化ストーリーが残っており、これは1クール分（12〜13話）のアニメを制作するには十分な分量です。

原作の売上・発行部数

シリーズ累計発行部数は100万部を突破しています。
これはライトノベルとしては中堅クラスのヒットであり、一定の人気と安定した読者層が存在することを意味します。
ただし、「転スラ」「無職転生」「Re:ゼロ」などの大ヒット作と比べると、規模としては一段下です。
とはいえ、モンスター文庫レーベルとしては上位クラスの成績であり、出版社側にとっても主力タイトルのひとつです。

アニメと原作の違い

アニメ版と原作にはいくつかの違いがあります。

1. テンポと構成の違い
   　原作ではじっくり描かれる誠一の成長や心理描写が、アニメではテンポ重視で省略されています。コメディシーンの比重が大きく、ギャグ調が強めになっている点が特徴です。

2. 作画・演出の方向性
   　アニメ版は制作スタジオの予算の都合から作画品質が一定でなく、キャラクター描写や戦闘シーンの迫力は控えめです。
   　原作や漫画版の方が、キャラクターの魅力や成長過程をより細かく描いています。

3. 登場キャラクターの扱い
   　一部のサブキャラや脇エピソードが省略・変更されています。特にギャグ展開や恋愛パートがコンパクト化されており、原作での「人間関係の成長」を楽しみたい人には小説版を読む価値があります。

総じてアニメ版は「テンポ重視・ギャグ寄り・ライト層向け」構成であり、原作ファン向けの細やかな描写は簡略化されています。

作者・美紅の他の作品

作者・美紅は大阪芸術大学卒の作家で、本作が代表作です。
その後も異世界系・チート系作品を複数執筆しています。

代表的なものは以下の通りです。

• 異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する ～レベルアップは人生を変えた～
  　現実と異世界を行き来できる少年が、両方の世界で力を得て成長していく物語。こちらもアニメ化され、2023年に放送されました。

• 武神伝 生贄に捧げられた俺は、神に拾われ武を極める
  　2023年から連載開始された新作で、こちらも「異世界転生×神×修行系」の構成。バトル要素が強めです。

美紅の作風は「努力型チート主人公」「内面成長」「コメディ要素」が共通しており、進化の実を気に入った読者には相性が良い作家です。

類似のおすすめ作品

『進化の実』が好きな人におすすめできる、同系統・類似テーマの作品をいくつか紹介します。

• 異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する（作者同じ）

• 転生したらスライムだった件：スキルシステム・進化テーマが共通。

• 賢者の孫：努力と才能を兼ね備えたチート主人公もの。

• この素晴らしい世界に祝福を！：コメディ重視の異世界転移。

• Re:ゼロから始める異世界生活：ループ構成による心理成長系。

これらは「異世界＋成長＋ユーモア」の要素が共通しており、『進化の実』が楽しめた人なら違和感なく入り込めるはずです。

まとめ

『進化の実〜知らないうちに勝ち組人生〜』は、異世界転移×チート×ギャグの融合作として、2010年代中盤以降の“なろう系ブーム”を代表する一作です。
アニメは第2期まで制作され、原作は全15巻で完結。ストックも十分あり、物語的には第3期を作る余地も残されています。

ただし、円盤売上が非常に低いため、制作続行の可能性は配信収益や海外人気次第といったところです。
アニメの続きが気になる人は、ライトノベル第10巻以降を読むのがベスト。原作ではアニメで描かれなかった誠一とサリアたちの新展開がたっぷり描かれています。

“冴えない少年が異世界で進化していく”という王道の快感を持つ本作は、異世界系入門としても十分におすすめできる作品です。