『なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか？』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

『なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか？』とは

本作は細音啓（さざね けい）によるライトノベル作品で、イラストをnecoが担当しています。出版レーベルはMF文庫J（KADOKAWA）で、2017年7月25日から2020年8月25日までに全9巻が刊行されました。

物語の舞台は「五種族大戦」と呼ばれる大規模な戦いの世界。人類が勝利したはずの歴史が、ある日突然“書き換え”られてしまい、人類が敗北する歴史へと変わってしまうところから始まります。主人公カイはその「世界の改変」を唯一目撃し、自分以外の誰も元の世界を覚えていないという状況に直面します。彼は“真の世界”を取り戻すために再び立ち上がることを決意するのです。

2期、続編の可能性

アニメ第1期は2024年7月から放送が開始されました。アニメ続編の制作には「原作の残量（ストック）」「円盤や配信の売上」「シリーズ全体の人気度」が重要な指標となります。

本作の原作はすでに完結しており、アニメ化可能なストックは十分にあります。そのため、内容的には続編制作が可能です。しかし、円盤（Blu-rayやDVD）の売上や配信収益などの情報がまだ明確に公表されていないため、現時点で第2期が確実に制作されるとは言い切れません。

アニメ業界では、円盤の初動が1,000枚を下回ると商業的に続編が難しいとされる傾向があります。そのため、売上次第では“続きは原作で”という形になる可能性もあります。結論としては、**「原作ストックは十分」「人気次第で続編の可能性あり」**という状況です。

アニメの続きはどこから読めばいいか

アニメ版が原作のどこまでを描いたかについて、公式な明示はされていませんが、ファンの間では「第1期で原作3～4巻あたりまでが描かれた」と推測されています。

したがって、アニメの続きを知りたい場合は、原作ライトノベルの4巻から読み始めるのが最もスムーズです。

また、漫画版（コミカライズ）も刊行されており、アニメ版の内容を補完したり、細かい心理描写をより視覚的に楽しむことができます。アニメ視聴後に漫画版を読むと、キャラクターの心情や伏線がより分かりやすくなるでしょう。

円盤の売上（DVD・BD）

円盤の売上は続編制作の判断に大きく関わります。本作については公表データが少なく、正確な枚数は不明です。ただし、アニメ業界全体の傾向として、円盤売上が1,000枚以下だと続編が難しく、5,000枚を超えると“成功ライン”とされています。

現状では「円盤の初動は低調」とされており、配信や海外展開の利益が今後の鍵を握ると言われています。そのため、2期を期待する場合は配信視聴数やグッズ展開が重要な指標となるでしょう。

原作のストック状況

• ライトノベル：全9巻で完結済み（2017年～2020年）

• コミカライズ版：2018年から連載中で、2025年時点で13巻が刊行済み

アニメの原作はすでに完結しているため、ストーリー的な素材は十分にあります。漫画版もアニメの範囲を超えて展開しており、物語の後半部分まで描かれています。したがって、アニメがどこまで進行しても、原作が足りないという心配はありません。

原作の売上・発行部数

本作のライトノベルは、2023年時点で累計発行部数70万部を突破しています。

ライトノベルとしては堅調な売上を記録していますが、メガヒット級ではありません。巻ごとの初動は1巻あたり5,000～7,000部程度とされており、安定した中堅クラスの人気作です。

一方、漫画版も10巻を超える長期連載作品として定着しており、電子版を中心に支持を集めています。紙媒体での販売よりも電子書籍での伸びが顕著なタイプといえるでしょう。

アニメと原作の違い

アニメと原作（ライトノベル・漫画）では、描かれ方や演出にいくつかの違いがあります。

1. 展開スピード
   　アニメでは限られた話数の中で物語を進める必要があるため、説明や心理描写が簡略化されています。原作ではより細かい伏線や設定が語られており、カイやリナ、ミシェルたちの内面描写がより深いです。

2. 世界設定の省略
   　「五種族大戦」「世界の上書き」など複雑な設定が多いため、アニメではテンポを重視し、背景の説明を一部カットしています。

3. 演出面の強化
   　アニメでは音楽や作画演出によって戦闘シーンの迫力が増しており、特に“世界改変”のシーンは映像ならではの演出が光ります。

4. キャラクター描写の差
   　原作ではリナとの関係性やカイの心情が丁寧に描かれており、感情の変化をより深く理解できます。アニメではテンポ重視で一部が省略されているため、キャラ同士の絆を重視するなら小説版を読むのがおすすめです。

作者の他の作品

作者・細音啓は、世界観構築と緻密なストーリーテリングに定評がある作家です。代表作は以下の通りです。

• 『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』
  　人間と魔女が対立する世界を舞台にしたラブバトルファンタジー。こちらもアニメ化されています。

• 『神は遊戯に飢えている。』
  　神々が“ゲーム”によって世界を支配するという設定で、人智を超えた頭脳戦が展開されます。

どちらの作品も、「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか？」と同じく、スケールの大きな世界設定と運命に抗う主人公が描かれており、細音啓ファンには必見です。

類似のおすすめ作品

本作のように「世界改変」「異種族」「戦記ファンタジー」などの要素を持つ近しい作品を紹介します。

• 『Re:ゼロから始める異世界生活』
  　死に戻りというループ構造で世界が変わる設定。記憶を引き継ぐのは主人公のみという点が共通しています。

• 『コードギアス 反逆のルルーシュ』
  　記憶操作・世界改変の要素を持つSF群像劇。戦略と感情のぶつかり合いが魅力です。

• 『ノーゲーム・ノーライフ』
  　異種族との知略勝負を描くファンタジー。五種族の設定や頭脳戦の雰囲気が近いです。

• 『灰と幻想のグリムガル』
  　人が“異世界で生きる”リアリティを描いた群像劇。記憶の喪失や生き残り戦を重視する作風が共通しています。

まとめ

『なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか？』は、
「世界改変」という壮大なテーマと、「誰にも覚えられない主人公」という孤独な運命を軸に描かれるファンタジー作品です。

• 原作ライトノベルは全9巻で完結。

• 累計発行部数は70万部を突破。

• コミカライズ版は13巻以上刊行され、今も人気継続中。

• アニメ1期は2024年放送。続編の可能性は「原作完結済・ストックあり」で高めだが、商業的要素が鍵。

• アニメの続きは原作4巻から読むのがおすすめ。

• 作者・細音啓は他にも『キミ戦』『神は遊戯に飢えている。』などヒット作多数。

壮大なスケールの中で、“記憶から消された世界を取り戻す”という切ないテーマが描かれる本作は、バトルと感情ドラマのバランスが秀逸な傑作です。アニメから入った人も、ぜひ原作で真の世界の全貌を体験してみてください