『無限の住人』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

2期・続編の可能性

『無限の住人』は、2008年にテレビアニメ化され、2019年には新たに「無限の住人-IMMORTAL-」として再アニメ化されました。この“IMMORTAL版”は「完全アニメ化」を掲げ、原作全30巻をもとに全24話で構成されています。

しかし、2025年現在、「無限の住人-IMMORTAL-」の第2期（続編）の制作発表は行われていません。アニメとしては原作のラストまで描かれているため、現時点で続きがアニメ化される可能性はやや低いと見られます。

ただし、原作には「無限の住人～幕末ノ章～」という正式な続編が存在します。これは2019年より『月刊アフタヌーン』で連載が開始された作品で、原案を沙村広明、脚本を滝川廉治、作画を陶延リュウが担当しています。舞台は幕末。時代が移り、再び万次が歴史の表舞台に登場する物語です。この「幕末ノ章」が今後映像化される可能性は十分にあり、将来的に“無限の住人 第2部”や“新章”としてアニメ化されることは期待できます。

アニメの続きはどこから読めばいいか

2008年版アニメは原作のごく一部しか描かれていません。そのため、原作を最初から読むことを強くおすすめします。

一方、2019年版『無限の住人-IMMORTAL-』は、原作30巻分をすべて映像化しています。したがって、アニメの続き＝「無限の住人～幕末ノ章～」から読むのが正解です。

まとめると次の通りです。

• 2008年版アニメしか見ていない → 原作1巻から読むのがおすすめ。

• 2019年版「IMMORTAL」を完走した → 続編『無限の住人～幕末ノ章～』1巻から読むと良い。

「幕末ノ章」は物語の舞台が江戸末期に移り、剣戟よりも歴史ドラマとしての要素が強まっていますが、万次という不死の剣士が再び動き出す展開はファンにとって非常に熱い内容です。

円盤（DVD・BD）の売上

『無限の住人』の円盤売上は、残念ながら高いとは言えません。

2008年版アニメの平均売上は約500枚前後と推定され、当時の基準から見ても厳しい結果でした。これは深夜アニメとしては低水準で、続編制作を後押しできる数字ではありません。

2019年版『無限の住人-IMMORTAL-』も、円盤販売数は約200枚前後と報告されています。ただし、この作品はAmazon Prime Video独占配信を前提として制作されたため、円盤の売上は作品の評価を直接反映していません。配信契約料など別の収益構造があるため、単純比較はできませんが、ディスク販売での成功とは言えない数字でした。

一方で、2017年に木村拓哉主演で実写映画版『無限の住人』が公開され、Blu-rayは約9,000枚以上を売り上げています。国内では興行収入も約8億円を記録し、話題性は高いものでした。

原作のストック状況

本編はすでに全30巻で完結しているため、「原作のストック」という意味では存在しません。しかし、続編『幕末ノ章』が2019年から連載中で、すでに単行本8巻まで刊行されています。物語としては新章が進行中のため、今後の映像化素材は十分に存在しています。

また、外伝的な短編やイラスト集も刊行されており、原作世界を拡張できる余地は多く残っています。

原作の売上・発行部数

『無限の住人』は、長期連載作品として非常に高い評価を得ており、累計発行部数は約580万～750万部と報告されています。海外での人気も高く、英語版やフランス語版、ドイツ語版など複数言語に翻訳されており、世界的にも名作の一つとして知られています。

この発行部数は、純粋な青年誌漫画としては高い水準であり、特にアクション・時代劇ジャンルとしては異例のロングヒットです。

アニメと原作の違い

アニメ版と原作には、いくつかの明確な違いがあります。

まず、アニメ「IMMORTAL」は原作30巻分を24話でまとめているため、展開が非常に速いです。原作の中で丁寧に描かれていた人間関係や心理描写、敵キャラクターの背景などが省略されています。

原作では、凜と万次の絆の深化、敵味方問わず登場人物の生死の意味、そして「不死」という設定がもたらす苦悩など、哲学的なテーマが強く描かれます。アニメ版はテンポを重視した構成になっており、物語の核心に迫る描写は簡略化されています。

また、アニメでは作画・演出ともに現代的なタッチにリメイクされており、スタイリッシュなアクションが増えましたが、原作特有の“血の匂い”“重さ”はやや薄まっています。ファンの中では、「アニメはダイジェスト版として楽しみ、真の深みを味わうなら原作を読むべき」という意見が多いです。

作者・沙村広明の他の作品

沙村広明は、独特の筆致と狂気を帯びた人間描写で知られる漫画家です。代表作には以下のような作品があります。

• ベアゲルター：近未来を舞台にしたバイオレンスアクション。女性暗殺者の戦いと復讐を描く。

• ブラッドハーレーの馬車：宗教・社会風刺を交えた異色の短編。

• おひっこし：日常コメディ。シリアスな作風とは一転してユーモラスな作風を楽しめる。

• ハルシオン・ランチ：不条理ギャグと社会風刺を融合させた異色作。

• シスタージェネレーター：独特のタッチで描くSF短編集。

これらの作品も、根底にあるテーマ「生と死」「自由と束縛」「暴力と救済」は『無限の住人』と共通しています。

類似のおすすめ作品

『無限の住人』が好きな人には、以下の作品もおすすめです。

• るろうに剣心（和月伸宏）：明治維新を背景にした剣戟アクション。復讐と贖罪をテーマに持つ点が共通。

• バガボンド（井上雄彦）：宮本武蔵を題材にした哲学的剣豪譚。

• 鬼滅の刃（吾峠呼世晴）：家族の復讐と人の業を描く剣劇ファンタジー。

• シグルイ（山口貴由）：残酷な剣術と狂気を描いた時代劇。作風の重さと画力は近い。

• 甲鉄城のカバネリ：時代劇風スチームパンク。戦うことの意味と生の執着を描く。

いずれも「剣」「宿命」「死生観」を主軸にしており、『無限の住人』に惹かれた読者に強く響くでしょう。

まとめ

『無限の住人』は、時代劇アクションでありながら、深い人間哲学と圧倒的な作画で唯一無二の地位を築いた名作です。アニメ化・実写化・続編と多方面に展開されており、2025年現在も「幕末ノ章」で物語が続いています。

アニメの続編（第2期）制作は未発表ですが、原作・続編の存在から、今後も新しい動きがある可能性は高いです。円盤売上こそ振るわなかったものの、世界的な評価と熱狂的なファン層が支える作品であり、時代を超えて語り継がれる“生と死の物語”と言えます。

復讐劇でありながら、最終的には「生きることの意味」を問う——そんな深さこそが、『無限の住人』最大の魅力です。