『たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

2期・続編の可能性

アニメ第1期は2021年冬クールに放送されましたが、現時点（2025年時点）で第2期の正式な発表は行われていません。制作会社はライデンフィルムで、作画・演出ともに安定していた一方、円盤売上や配信収益の面で続編が企画されるまでの成果には至らなかったと推測されています。

とはいえ、原作はすでに完結しており、ストックは十分。アニメ1期が原作の初期エピソードにあたるため、物語的にはまだまだ多くの展開が残っています。ファンの支持も根強く、配信プラットフォームでの視聴評価も高いため、今後の再評価・リメイク・OVAなどの形で再始動する可能性は残されています。
現状では「続編の可能性は低いが、絶望的ではない」というのが妥当な見方です。

アニメの続きはどこから読めばいいか

アニメ1期では、原作小説の第1巻から第5～6巻あたりの内容が描かれています。
そのため、アニメの続きから原作を楽しみたい場合は、ライトノベル第6巻から読むのが最適です。
一方、漫画版の場合はアニメが原作8巻付近まで相当するため、漫画第9巻から読み進めるとスムーズにストーリーを追えます。

原作では、王都での新生活が落ち着いた後、ロイドがさまざまな事件や陰謀に巻き込まれる中で、仲間たちとの絆を深めていく展開が描かれます。アニメでは描き切れなかったシリアスな伏線や、キャラクターの過去エピソードも多く含まれているため、続きから読むことで物語の深みを味わうことができます。

円盤（DVD・Blu-ray）の売上

アニメ第1期の円盤売上は、Blu-ray第1巻の推定販売枚数が約300枚前後と報告されています。
一般的に、続編制作の目安とされる「1巻あたり4,000枚以上」には届かず、商業的な成功とは言いがたい結果でした。
ただし、近年は配信契約による収益や海外向けライセンス収入も重要視されているため、円盤売上だけでは判断できません。特に本作は海外での人気が高く、NetflixやCrunchyrollなどでも配信されているため、一定の収益は確保していたと見られます。

原作のストック状況

ライトノベル版は全15巻で完結しており、すでにアニメ化可能なストックは十分に存在します。
原作完結により、アニメ2期を制作する際にも構成を安定的に組めるという利点があります。
漫画版も2023年8月に完結済みで、スピンオフ漫画『たとえばラストダンジョン前の村の食堂で働く日常物語』などの派生作品も登場しました。
このため、メディアミックス展開としては非常に整った状態です。

原作の売上・発行部数

シリーズ累計発行部数は2022年時点で約300万部を突破しています。
ライトノベル市場では中堅〜上位クラスのヒットであり、安定した人気を持つシリーズです。
初期はGA文庫大賞受賞作として注目を集め、発売当初から重版がかかるなど好調なスタートを切りました。
漫画版もコミックス1巻あたり5〜7万部ほどの売上を記録し、読者層の拡大に成功しました。
特に「ギャグと無自覚最強の融合」という点が国内外で受け入れられ、アニメ化決定後にはシリーズ全体の売上が急上昇しています。

アニメと原作の違い

アニメ版は原作の基本プロットを忠実に再現しつつ、テンポ重視で構成されています。
ギャグシーンが多く、軽快なテンポで話が進むため、コメディ部分を強調した明るい雰囲気が特徴です。
一方、原作小説では魔法体系や各国の政治設定、キャラクターの内面描写がより丁寧に描かれています。特にロイドの強さの理由や、コンロン村の歴史などはアニメでは省略されがちな部分であり、原作を読むことで世界観の奥行きをより深く理解できます。

また、漫画版はアクションシーンが迫力ある構図で描かれており、ギャグと戦闘のバランスが取れている点が好評でした。アニメではギャグ寄り、漫画はバトル寄り、原作はストーリー重視というように、メディアごとの個性がはっきりしています。

作者・サトウとシオの他作品

サトウとシオは、本作でデビューしたライトノベル作家です。
本作は第8回GA文庫大賞にて優秀賞を受賞しており、その後のシリーズ化を経て、作家としての地位を確立しました。
現時点では『ラスダン』以外の長編シリーズは発表されていませんが、ユーモアとテンポの良い会話劇に定評があり、ファンタジーコメディ作家として今後の活動が期待されています。

類似・おすすめ作品

「無自覚最強」「勘違い系」「序盤から強すぎる主人公」という特徴を持つ作品は、近年の異世界・ファンタジー作品で人気のサブジャンルです。
本作が好きな読者には、以下のような作品もおすすめです。

• 『史上最強の大魔王、村人Aに転生する』
  主人公が伝説の魔王の転生体という設定で、“無自覚に最強”なギャグ要素が共通。

• 『賢者の孫』
  師匠が偉大すぎて、自分の力に気づかない主人公の成長を描くコメディ調異世界作品。

• 『ありふれた職業で世界最強』
  一度どん底を経験した主人公が最強へと成り上がる王道パターン。戦闘重視。

• 『転生したらスライムだった件』
  平凡な存在が圧倒的な力を得て世界を変えていくスローライフ＋バトル系の定番。

これらはどれも「日常×最強×勘違い」の要素を持っており、ラスダンのような明るく軽快な作風を好む人にぴったりです。

まとめ

『たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語』は、ファンタジーの定番を逆手に取った“無自覚最強系”の傑作コメディです。
ロイドの善良さと常識外れの強さが生み出す笑い、個性豊かな仲間たちの掛け合い、そして小気味よいテンポが魅力です。

• アニメ第2期の発表は未定。現状では続編の可能性は低め。

• アニメの続きは原作6巻または漫画9巻から。

• 円盤売上は約300枚で厳しいが、海外評価は高い。

• 原作は全15巻完結、累計発行部数300万部。

• アニメはギャグ重視、原作は世界観重視、漫画はバトル重視。

• 類似作品も豊富で、無自覚最強系が好きな人には多くの関連作が楽しめる。

総じて、本作は「弱いと思い込む最強少年」というシンプルながら普遍的なテーマを、軽妙なコメディで描いた名作です。アニメ化以降も根強いファンを持つ理由は、そのポジティブで明るい世界観にあります。