『インフィニットデンドログラム』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

2期・続編の可能性

2025年10月時点で、『インフィニット・デンドログラム』のアニメ2期制作は公式に発表されていません。

続編が制作されるかどうかは、一般的に「円盤の売上」「配信収益」「原作の人気度」「海外展開の成功」など複数の要素によって判断されます。デンドログラムの場合、Blu-rayとDVDの販売数が振るわなかったため、現段階では2期の可能性はやや低めと見られます。

ただし、原作のストックは十分にあり、アニメで描かれた範囲は序盤に過ぎません。物語全体は長期的な構成を持っており、展開次第では再アニメ化、もしくは新作OVAなどの形で再始動する余地はあります。海外配信でも一定のファン層を獲得しているため、人気が再燃すれば2期実現の可能性はゼロではありません。

アニメの続きはどこから読めばいいか

アニメ版（全13話）は、原作ライトノベルの第1巻から第3巻序盤あたりまでを映像化しています。
そのため、アニメの続きを知りたい場合は 原作ライトノベル第4巻 から読み始めるのが最適です。

第4巻以降では、アニメでは触れられなかった「他国との大規模戦争」や「レイのエンブリオの真の能力」など、世界設定の核心に迫る展開が始まります。アニメではテンポを優先した部分が多く、原作で読むとキャラクターの心情描写や戦術的思考の深みをより味わうことができます。

また、漫画版（作画：今井神）もありますが、アニメとは演出が異なり、一部オリジナル要素も含まれています。完全なストーリーの続きとして読むなら、やはりライトノベル版が最もおすすめです。

円盤の売上（DVD・BD）

アニメ第1期の円盤は、2020年3月から順次発売されました。
初動のBlu-ray第1巻の売上は 約579枚 にとどまり、当時の冬アニメ作品の中では中位〜下位という結果でした。

アニメ業界では、Blu-rayやDVDが2000枚以上売れると「黒字化ライン」と言われていますが、それに届かなかったため、純粋な円盤収益だけでは2期制作を判断できる数字ではありません。
ただし、現在は「配信収益（Amazon Prime、dアニメストアなど）」が重視されており、円盤だけでなくトータル人気で判断される傾向が強まっています。そのため、続編を完全に否定できるわけではありません。

原作のストック状況

原作ライトノベルは、2024年時点で 第22巻 まで刊行されています。
さらに外伝として「EX」や「SP」シリーズも複数発表されており、物語の広がりは非常に大きいです。

アニメ1期がわずか3巻分程度の内容しか消化していないことを考えると、原作のストックは十分。仮に2期を制作しても、さらに3期・4期まで展開できるだけの物語量が存在します。

また、コミカライズ版も14巻以上が発売され、スピンオフ展開も活発です。ストーリーのストック不足が原因で続編が出せない、という状況ではありません。

原作の売上・発行部数

『インフィニット・デンドログラム』のシリーズ累計発行部数は、2019年の時点で 約44万部 を突破していました。
2025年現在はさらに伸びていると見られますが、公式発表はありません。

ライトノベルとしては中堅クラスの数字であり、爆発的ヒットとまではいかないものの、安定した人気を保っています。特にアニメ放送時には、既刊巻が一時的に重版されるなど、一定の商業的成功を収めました。

売上・人気・ストックの3点を総合すると、「シリーズとしては堅実な支持層を持つが、2期を即決するほどの商業規模には至っていない」という位置づけになります。

アニメと原作の違い

アニメ版と原作にはいくつかの明確な違いがあります。

1. 設定描写の密度
   　原作はシステムやスキル構成、戦略説明などが非常に細かく、読者が「ゲーム世界のロジック」を理解できるよう構成されています。
   　アニメではテンポを重視したため、細かい設定説明が省かれ、初見ではやや分かりづらい箇所もありました。

2. キャラクターの心理描写
   　原作ではレイやネメシスをはじめとする登場人物の内面が丁寧に描かれますが、アニメでは行動主体の描写に寄っています。
   　結果として「原作の方が感情の流れが自然」という感想を持つ視聴者も多いです。

3. 演出の違い
   　アニメではオリジナルのカットやバトル演出が追加されており、アクション重視の構成。一方で、原作ファンからは「重要な伏線がカットされた」との声もあります。

総じて、アニメは原作の導入としてよくまとまっていますが、物語の本質を味わうなら小説版を読むのがベストです。

作者の他の作品

海道左近は、『インフィニット・デンドログラム』で商業デビューした作家です。現在のところ、同名義での長編シリーズは本作のみが中心です。
ただし、活動初期には短編や同人小説なども執筆しており、設定構築型の物語を得意としています。

イラスト担当のタイキは、他にも『ナイツ＆マジック』などでキャラクターデザインを手がけており、メカ・ファンタジー両面に強いクリエイターとして知られています。

類似・おすすめ作品

『インフィニット・デンドログラム』が好きな人におすすめの、世界観・テーマが近い作品を挙げます。

• ソードアート・オンライン（著：川原礫）
  　VRMMOを題材とした草分け的存在。仮想と現実の境界を描く構成はデンドロに通じる。

• ログ・ホライズン（著：橙乃ままれ）
  　MMORPGに閉じ込められたプレイヤーたちの社会構築を描く群像劇。戦略・ギルド・政治面が充実。

• オーバーロード（著：丸山くがね）
  　ゲーム世界に転移した主人公が魔王として生きる物語。デンドロと同じく“ゲームの中での倫理観”が鍵。

• アクセル・ワールド（著：川原礫）
  　仮想戦闘空間を舞台に、心理的成長を描いた近未来アクション。バトル描写の緻密さが魅力。

これらはすべて「VR・ゲーム世界×成長×戦闘」を主軸としており、『デンドログラム』と共通する楽しみ方ができます。

まとめ

『インフィニット・デンドログラム』は、仮想現実世界を舞台にした壮大なファンタジーであり、無限に進化する“エンブリオ”という独自システムを通じて「人間の選択と可能性」を描く作品です。
アニメ1期は原作の序章に過ぎず、続きを楽しむなら第4巻からが最適。原作のストックは豊富で、世界観はさらに広がりを見せています。

円盤売上は控えめで、2期制作は現時点では未定ですが、作品自体の評価は高く、原作・漫画ともに継続して支持されています。
「ゲームの中にある現実」「AIと人間の共存」といったテーマ性が光る本作は、VRMMO系ライトノベルの中でも一味違う哲学的な魅力を持っています。

今後、原作が完結を迎える段階や、新たなメディア展開が行われる際には、再びアニメ化の動きが起こる可能性もあります。
ファンとしては、原作・漫画・配信サービスでの支持を広げつつ、次の“無限の進化”に期待したいところです。