『放課後ていぼう日誌』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

2期・続編の可能性

2025年10月時点で、アニメ第2期の制作発表は正式には行われていません。公式Twitterや出版社、制作スタジオからも続編に関する告知は出ていない状態です。

ただし、続編の可能性は一定程度残されています。その根拠は以下の通りです。

1. 原作ストックが十分にある
   アニメ第1期は原作4巻程度までの内容を使用しています。原作はすでに14巻まで刊行されており、アニメ化できるエピソードの蓄積が十分です。釣りのテーマもバリエーションが多く、アニメ向けに再構成しやすい点も強みです。

2. 安定した原作人気
   累計発行部数は100万部を突破しており、アニメ終了後も着実に読者を増やしています。地方を舞台にした穏やかな作風は固定ファンが多く、長期的な支持を得ている点もプラス要素です。

3. 制作スタジオの評価
   アニメを手掛けた動画工房は日常系・癒し系作品を得意とし、クオリティの高さには定評があります。ファンの間では「ぜひ同じスタッフで2期を」という声も根強いです。

一方で、続編制作を難しくしている要因も存在します。

• 円盤売上が控えめで、商業的には大ヒットとまではいかなかったこと。

• 原作のペースがやや不定期であり、安定した制作スケジュールを組みにくいこと。

以上を踏まえると、現時点では「すぐに発表される可能性は低いが、将来的には十分あり得る」というのが妥当な見立てです。

アニメの続きはどこから読めばいい？

アニメ版『放課後ていぼう日誌』は、原作第1巻から第4巻までのおおよそのエピソードをアレンジして描かれています。したがって、アニメの続きを原作で楽しみたい場合は、第5巻から読むのがおすすめです。

第5巻以降では、アニメでは描かれなかった釣り方や海の生き物、新キャラクターとの交流などが登場し、作品の世界がより広がっていきます。また、原作では釣りの技術的な解説や道具の説明がより丁寧に描かれており、実際の釣り入門書としても楽しめる内容になっています。

ただし、原作の初期エピソードにはアニメで省略された部分もあるため、余裕があれば1巻から通読すると理解が深まります。

円盤（Blu-ray・DVD）の売上

アニメのBlu-rayおよびDVDの初動売上はおおむね1,400〜1,600枚前後とされています。これはアニメ市場の中では中堅〜やや低めの部類に入ります。

通常、続編制作の目安とされる売上ラインは平均3,000枚前後といわれていますので、それを下回る結果でした。これが続編制作を慎重にさせている一因と考えられます。

ただし、現在のアニメ業界では配信権料や動画配信サービスでの再生数、グッズ収益なども重視されており、円盤売上だけが判断基準ではありません。本作は配信プラットフォームでの視聴率が比較的安定しており、「まったり系」「癒し系」として再評価されています。そのため、長期的なファン人気が続けば、2期企画が浮上する可能性も十分あります。

原作のストック状況

原作漫画は2025年時点で第14巻まで刊行されています。連載は継続中で、釣りの題材やキャラクターの日常を中心に物語は進行中です。

作者の小坂泰之は2020年に豪雨被害で一時的に連載を中断しましたが、後に復帰しており、現在は安定したペースで新刊が発行されています。1巻あたり約6〜7話前後が収録されているため、アニメ1クール分（約4巻分）を新たに制作するには十分なストックがあります。

そのため、ストック面での懸念はなく、制作側の意志と資金面が整えば、2期制作は現実的に可能な段階にあります。

原作の売上・発行部数

『放課後ていぼう日誌』の累計発行部数は、2021年の時点で100万部突破が報じられています。これは釣りをテーマにした漫画としては異例のヒットです。

巻ごとの初動売上はおおむね2万〜3万部台で推移しており、安定した人気を維持しています。最新巻に近づくにつれ数字はやや落ち着いてきていますが、それでも一定の固定ファン層を確保しており、日常系ジャンルの中では堅実な成績です。

電子書籍版の売上も良好で、特にアニメ放送期には電子版が一時ランキング上位に入るなど、メディアミックス効果が確認されました。

アニメと原作の違い

アニメと原作の大きな違いは、物語のテンポと演出の方向性にあります。以下のような特徴が見られます。

1. 構成の再編集
   アニメでは全12話という限られた尺に収めるため、原作エピソードの順番を一部入れ替え、テンポを重視した構成になっています。

2. 釣り解説の省略
   原作では実際の釣り方や道具の名称、仕掛けの作り方まで詳細に描写されていますが、アニメでは初心者にも分かりやすいよう簡略化されています。

3. キャラクターの表情・声の補完
   原作では心情をモノローグで描く部分が多いのに対し、アニメでは声優の演技や音響で感情表現を補完しています。これにより、視聴者が感覚的にキャラクターへ共感しやすくなっています。

4. 風景描写の強化
   アニメ版は背景美術の評価が非常に高く、九州の海辺をモデルにした風景がリアルかつ美しく描かれています。原作の温かみを損なわず、映像作品としての完成度を高めています。

全体として、アニメは原作の雰囲気を忠実に再現しつつ、視覚的な魅力を引き出す方向でうまく調整されています。大きなストーリー改変はなく、ファンからも「原作リスペクトのある良アニメ化」として高く評価されました。

作者・小坂泰之の他作品

小坂泰之は熊本県出身の漫画家で、『放課後ていぼう日誌』が代表作です。

商業連載としては本作が中心であり、他に大きく知られた長期シリーズはありません。ただし、読み切り作品やアンソロジーへの寄稿、同人誌活動などは行っていた時期があり、特に「釣り」「田舎」「日常」といったテーマを好んで描く作風が特徴です。

作者自身が釣り愛好家であり、作中の釣り道具・仕掛けの描写や釣果の知識は実体験に基づいていると言われています。そのリアリティが作品の魅力を支えています。

類似・おすすめ作品

「女子高生 × 部活 × 自然 × 日常」というテーマを好む読者には、以下の作品もおすすめです。

• スローループ
  同じく女子高生が釣りを通じて家族や友情を描く作品。癒しと成長の要素が共通しており、釣り漫画の中でも親和性が高い。

• ゆるキャン△
  アウトドア・キャンプを題材にした人気作。自然と触れ合う穏やかな雰囲気、キャラクター同士の掛け合い、風景描写の美しさが「ていぼう日誌」と共通している。

• のんのんびより
  田舎を舞台にしたスローライフ系日常アニメ。地方の空気感や人間関係の温かさが似ており、癒し系作品が好きな人に向く。

• ヤマノススメ
  登山をテーマにした女子高生の青春。スポーツ・自然・友情という軸が共通している。

これらの作品はいずれも「ゆったりした時間の流れ」「自然との共生」「仲間との関わり」がテーマであり、『放課後ていぼう日誌』のファンなら楽しめる可能性が高いです。

まとめ

『放課後ていぼう日誌』は、日常と釣りを融合させた稀有な青春漫画であり、2020年代の日常系アニメの中でも独特の位置を占めています。

• アニメ第1期は高評価ながら円盤売上が伸び悩み、続編発表はまだ。

• 原作ストックは十分にあり、素材的には2期制作が可能。

• 発行部数は100万部超と安定した人気を維持。

• 原作5巻以降でアニメの続きが楽しめる。

• 釣り知識と日常描写のリアリティが高く、他作品にない魅力を持つ。

現時点では公式な2期発表はないものの、ファンの期待値は高く、原作人気も続いているため、今後の展開次第では再アニメ化の可能性も十分に残されています。

『放課後ていぼう日誌』は、海と仲間に囲まれた青春の時間を丁寧に描いた、まさに“静かな名作”といえるでしょう。