『グレイプニル』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

2期・続編の可能性

アニメ『グレイプニル』は1期で完結した形になっており、2025年10月時点でも公式に「2期制作決定」の発表はありません。現時点で続編の兆候は見られず、制作会社（PINE JAM）やキャスト陣からのアナウンスも出ていません。

では、2期の可能性を分析してみましょう。

続編が厳しいとされる理由

1. 円盤売上が非公表または低水準
   　アニメ業界ではBlu-ray・DVDの売上が続編制作の重要な判断基準となります。一般的に1巻あたり3,000枚以上売れれば黒字ライン、5,000枚以上で続編の期待が高まるといわれますが、『グレイプニル』の場合は具体的な販売データが公開されておらず、ヒットクラスではないと見られています。

2. 配信人気が中程度
   　放送当時、海外配信や国内の動画サイトでも一定の注目を集めたものの、『鬼滅の刃』や『ダーウィンズゲーム』などと比べると視聴ランキング上位に常時入っていたわけではありません。継続的なファン層は存在するものの、大規模なムーブメントには至っていませんでした。

3. 制作会社のラインナップの影響
   　制作を担当したPINE JAMは、近年『ぼっち・ざ・ろっく！』『Just Because!』など別ジャンルの作品に注力しており、『グレイプニル』の続編を優先的に企画する流れが見られないのも現実です。

2期があり得る可能性

一方で、まったく望みがないわけではありません。

• 原作がすでに完結しており、ストーリー全体をアニメでまとめるだけの素材が残っていること。

• 海外では一定のコア人気があるため、配信プラットフォームによる出資・リメイク的な復活の可能性もあること。

総合的に見ると、2期の制作可能性は「やや低い（10〜20％程度）」と考えられます。

アニメの続きはどこから読めばいいか

アニメ『グレイプニル』1期は、原作漫画の第6巻・第35話付近までを映像化しています。したがって、続きが気になる場合は「第6巻36話」または「第7巻」から読み始めるのが最適です。

なお、アニメでは一部の描写や設定が省略されているため、完全に物語を理解したい人は、最初から読み返して細部を確認するのもおすすめです。原作では、クレアの姉エレナの過去や、コインの正体、宇宙的な存在の秘密などがより深く描かれており、アニメで省略された背景を知ることで物語の印象が大きく変わります。

円盤（DVD・Blu-ray）の売上

公式な販売枚数は公開されていませんが、アニメファン・業界分析サイトなどの推定では、初動1,000〜1,500枚前後とされています。これは“採算ラインに届かない”部類であり、商業的には成功とは言い難い数値です。

ただし、アニメ放送時期が2020年春というコロナ禍の影響を受けた時期であったこともあり、イベント収益・グッズ展開などが限定的だった点も考慮する必要があります。そのため「売上が少なかった＝不人気」という単純な図式ではありません。

原作のストック状況

『グレイプニル』の原作は全14巻で完結済みです。アニメ1期で描かれたのは6巻までなので、残り8巻分のストーリーはすべて未映像化の状態です。
つまり、もし2期が制作される場合には、完結まで十分に描けるだけの原作ストックが存在します。ストック不足という理由で制作が止まっているわけではありません。

ストーリー的にも、6巻以降は世界観の核心が明かされる重要な部分であり、修一とクレア、エレナの三人の関係性や「コインを作った存在」の正体、そして“地球外生命体”との決戦が描かれます。内容的にはアニメ化に十分耐えうる盛り上がりを持っています。

原作の売上・発行部数

『グレイプニル』の単行本は、2020年時点でシリーズ累計30万部を突破していると公表されていました。以降もアニメ化効果で多少の上乗せがあり、最終的には40〜50万部程度と推定されます。
この数字は大ヒットとは言えませんが、青年誌連載作としては平均的な水準です。アニメ化を実現できたという点からも、一定の商業的評価を得ていたことが分かります。

アニメと原作の違い

アニメ版は原作を忠実に再現している部分も多いものの、全体的にテンポ重視の構成になっており、細部の心理描写や伏線がいくつか省略されています。特に以下の違いが目立ちます。

1. 展開の省略とテンポの速さ
   　アニメでは原作の中盤までを13話にまとめたため、一部の戦闘やキャラクター背景が短縮されました。

2. グロ描写・性的描写の抑制
   　原作にはやや過激なシーンが多く、アニメではテレビ放送に合わせてトーンダウンしています。

3. 最終回の構成
   　アニメのラストは「まだ物語が続く」ことを示唆する終わり方ですが、原作6巻の展開を改変して締めています。そのため、原作を読んでいるファンには物足りなさを感じた人もいました。

一方で、映像としての演出や音楽、声優陣の演技は高く評価されており、特にクレア役の東山奈央と修一役の花江夏樹の掛け合いは作品の魅力を引き立てています。

作者・武田すんの他の作品

武田すんは、ラブコメや変身モノを得意とする漫画家です。『グレイプニル』以前にも複数の作品を発表しています。

• あるいて一歩!!（電撃コミックス）
  　初期のラブコメ作品で、純粋な青春ドラマ。

• 世界の果てで愛ましょう（エースコミックス）
  　性転換を題材にしたコメディで、奇抜な設定とテンポの良いギャグが特徴。

• ハルとナツ（白泉社ジェッツコミックス）
  　男女の入れ替わりや絆を描くヒューマンドラマ。

• これ喰ってシメ！（久住昌之原作）
  　グルメ×コメディのコラボ作品。

『グレイプニル』はそれらの作風の集大成とも言える作品で、ラブコメ的要素、変身テーマ、そして少しダークな人間ドラマを融合させた独自のバランスが光ります。

類似のおすすめ作品

『グレイプニル』を楽しめた人には、以下の作品もおすすめです。

• ダーウィンズゲーム：スマホアプリを通じて特殊能力を得た若者たちのサバイバルバトル。能力バトル＋心理戦の要素が近い。

• テラフォーマーズ：人体改造や異形化の要素が強く、グレイプニルのSF的要素と親和性が高い。

• 僕のヒーローアカデミア：特殊能力を持つ人間たちの成長物語。王道のヒーロー系として、能力描写が洗練されている。

• パラサイト -寄生獣-：異形との共存をテーマにしたSFホラーの金字塔。哲学的な要素も共通。

• エルフェンリート：グロテスクで悲劇的なラブストーリー。『グレイプニル』の雰囲気に近いダークさを持つ。

まとめ

『グレイプニル』は、異形変身という独特の設定を持つSFアクションでありながら、ラブコメや心理ドラマの要素も融合した異色の作品です。アニメ1期は2020年に放送され、原作6巻までを描きました。

原作は14巻で完結しており、物語としてはまだ多くの未映像化エピソードが残っています。そのため、内容的には2期を制作する余地は十分にあります。

しかし、円盤売上や話題性の面ではやや厳しく、制作会社のスケジュールも重なっていることから、現時点で2期が制作される見込みは低いと考えられます。とはいえ、海外配信での人気や原作完結による再評価次第では、今後OVAやリメイク的な展開が行われる可能性もあります。

もしアニメの続きを楽しみたい場合は、原作漫画第7巻から読み進めるのが最もおすすめです。原作後半では、登場人物の真意や世界の真相が明かされ、物語が大きく動くため、アニメ以上のスケールで楽しむことができます。

『グレイプニル』は、“人間と怪物の境界線”を問う物語であり、外見の異形さではなく内面の闇を描いた作品です。人間関係や欲望、孤独と絆というテーマを重ねながら、アクション・サスペンス・恋愛を融合させた完成度の高い物語といえるでしょう。