『終末トレインどこへ行く』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

1. 作品概要

『終末トレインどこへいく？』は、2024年4月から6月にかけて放送されたオリジナルテレビアニメ作品です。制作はEMTスクエアード、監督は水島努、シリーズ構成は横手美智子という強力な布陣によって制作されました。終末世界を舞台に、少女たちが電車に乗って「行方不明になった友人」を探す旅を描くという、独特の世界観とテーマ性を持つ作品です。

物語の舞台は、ある日突然「人々が姿を変えてしまう」奇妙な現象が起こった終末世界。人の姿を失った家族や友人を探すため、少女・静留（しずる）は電車に乗り、変わり果てた世界を進んでいくことを決意します。駅ごとに立ち寄る異常な風景や、出会う人々の想いを通して、“変わってしまった世界でどう生きるか”を描いた作品です。

2. 2期・続編の可能性

現在のところ、『終末トレインどこへいく？』第2期や劇場版など、続編制作の正式発表は行われていません。

アニメの続編が制作される場合、主に「円盤（Blu-ray/DVD）の売上」「配信視聴数」「グッズ売上」「話題性」が基準となります。本作は放送時に一定の話題を集めたものの、円盤の売上が非常に低く（後述）、商業的には苦戦していると考えられます。また、もともと本作は“オリジナルアニメ”であり、漫画や小説のストックをもとに続編を作るタイプではありません。

物語的にもアニメ第1期で主要な謎やキャラクターの目的がひと段落しているため、続編を制作するには新規の脚本や構想が必要になります。そのため、現時点では「2期の可能性は低い」と見るのが妥当です。

ただし、最終話ではいくつかの“余韻を残した結末”となっており、視聴者の間では「まだ物語が続く余地がある」との声もあります。配信での評価が良ければ、OVAや短編スピンオフとして続編が製作される可能性は残されています。

3. アニメの続きはどこから読めばいいか

『終末トレインどこへいく？』は、アニメが原作であり、漫画版はその後に制作されたコミカライズ作品です。したがって、「アニメの続きが漫画で読める」というよりは、アニメを補完・再構築した形になります。

漫画版はKADOKAWAのMFコミックスから発売されており、作画は酉村が担当。第1巻が2024年6月に発売され、第3巻で完結しています。全3巻で物語が締めくくられているため、アニメの内容を改めて体験したい、あるいは詳細設定を知りたい読者に向けた作品です。

そのため、アニメの続きを読みたい場合は「第1巻から順番に」読むのが最もおすすめです。第3巻にはアニメの最終話を超える“後日譚的エピソード”も含まれているため、アニメ視聴後でも新しい発見があります。

4. 円盤の売上（Blu-ray・DVD）

Blu-ray・DVDの売上は、残念ながら非常に厳しい数字でした。推定初週売上は100枚前後、もしくはそれ以下とも言われており、公式ランキングにも登場していません。

現在のアニメ業界では、1巻あたり平均2000枚前後が「続編制作の目安」とされており、100枚台では続編の企画が立ちにくい状況です。配信での収益や海外展開が好調であれば別ですが、現状そのような報道も見られません。したがって、商業的には続編が難しいと推測されます。

5. 原作のストック状況

原作漫画版は全3巻で完結しており、すでにストックは存在しません。アニメも同様に1クールで一度物語を完結させているため、原作ストックを使って2期を作ることは不可能です。

ただし、『終末トレインどこへいく？』はオリジナル企画なので、制作者が新たな脚本を作れば続編を作ることは理論上可能です。水島努監督作品の中には、数年後にスピンオフや続編が制作された例もあるため、完全に可能性が消えたわけではありません。

6. 原作の売上・発行部数

コミカライズ版の累計発行部数に関する公式発表はありません。書店ランキングやオリコン上位に入っていないことから、売上は中規模または小規模クラスと推定されます。

ただし、SNS上では「作画が綺麗で読みやすい」「アニメでは分かりにくかった設定が整理されている」といった好意的な感想も見られ、一定のファン層を獲得しています。

7. アニメと原作の違い

アニメと漫画版には、いくつかの違いがあります。

• 展開のテンポ
  アニメ版は1クール12話の構成でテンポが早く、終末世界を次々と移動していくロードムービー的な雰囲気。一方、漫画版は心情描写や細部の背景によりページが割かれ、静かな世界観をより深く味わえます。

• 描写の補足
  アニメで描かれなかった街の描写や人々の細かな変化が漫画版で補完されています。特に、静留たちが出会うキャラクターの心情面に厚みが追加されています。

• 結末の差
  基本的な結末は大きく変わりませんが、漫画版ではエピローグが少し長く、アニメよりも“穏やかな終わり方”になっています。

そのため、「アニメを観て少し駆け足だと感じた」「もう少し設定を掘り下げてほしい」という人には、漫画版が非常におすすめです。

8. 作者・制作スタッフの他の作品

本作の監督・水島努は、『ガールズ＆パンツァー』『SHIROBAKO』『監獄学園』など、多彩なジャンルでヒット作を生み出してきた名監督です。リアルな日常の中に“奇妙な非日常”を混ぜる演出が得意で、『終末トレインどこへいく？』にもその独自のタッチが感じられます。

シリーズ構成の横手美智子も、水島監督と多数の作品でタッグを組んでおり、キャラクター同士の掛け合いやテンポのよい脚本に定評があります。

漫画版作画の酉村は、繊細なタッチと背景描写に定評があり、本作では「電車」「廃墟」「自然」の対比を丁寧に描くことで、独自の世界観を完成させています。

9. 類似・おすすめ作品

『終末トレインどこへいく？』とテーマや雰囲気が近いおすすめ作品をいくつか紹介します。

• 少女終末旅行
  終末世界を旅する少女2人の物語。雰囲気や哲学的な余韻は本作に最も近い。

• ソ・ラ・ノ・ヲ・ト
  崩壊しかけた世界で“音楽”を通じて生きる少女たちを描いた作品。優しい世界観が特徴。

• メイドインアビス
  探索・旅・成長という要素を含み、未知の世界を進む緊張感が共通する。

• ワンダーエッグ・プライオリティ
  少女の心の傷と非現実世界を描いたオリジナルアニメ。心理的テーマが共通する。

これらの作品はいずれも「少女たちが世界の理不尽さと向き合いながら前に進む」という点で共通しています。

10. まとめ

『終末トレインどこへいく？』は、水島努監督によるオリジナル終末系アニメであり、「電車×少女×終末」という異色の組み合わせが特徴の作品です。アニメは1クールで完結しており、漫画版も3巻で終了。現時点では2期や続編の予定は発表されていません。

円盤売上は低く、続編制作のハードルは高いものの、物語の余韻や未回収の謎も多く、ファンの間では「いつか続きを見たい」という声も多く聞かれます。

終末的な風景の中で、少女たちが“変わってしまった世界”とどう向き合うのか。ゆるやかな旅と成長、そして喪失と希望を描いたこの作品は、派手なバトルや恋愛要素がない代わりに、静かな感動と独自の世界観を残しました。

物語の核心は「変化を受け入れる勇気」と「それでも生きていく強さ」。アニメ・漫画ともに完成度の高い作品であり、終末系・旅系のアニメが好きな人には必見の一作です。