『ベルサイユの薔薇』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

2期・続編の可能性

1979年から1980年にかけて放送されたテレビアニメ版『ベルサイユのばら』は全40話構成で、原作漫画の大部分をカバーしている。
しかし、正式な「第2期」「続編」と呼ばれるテレビシリーズは現在まで制作されていない。

ただし、2025年1月31日に完全新作の劇場版アニメが公開予定である。これは新たな映像技術と現代的解釈によって再構築されるもので、オスカルやマリー・アントワネットなど原作キャラクターたちの再登場が発表されている。
制作陣も一新されており、この劇場版は「再アニメ化」とも「続編的立ち位置」とも言える位置づけとなる。

よって、「テレビアニメ第2期」という意味での続編の可能性は低いが、2025年以降の劇場版・関連作品の成功次第では、新シリーズや外伝的な展開が期待される余地はある。

アニメの続きはどこから読めばいいか

1979年のテレビアニメ版は、原作の主要部分（単行本全10巻）を中心に構成されており、原作の展開をほぼ最後まで描いている。
しかし、演出上の変更や省略された部分も多く、細部の心理描写や人物関係をより深く知りたい場合は、アニメ終了後に原作の第7巻以降を読むのが自然な流れとなる。

また、連載終了後に描かれた「ベルサイユのばら エピソード編」「新エピソード編」などはアニメ化されていないため、これらを読むことで世界観を補完することができる。
これらのエピソードでは、マリー・アントワネットの生涯を別視点で描いたり、オスカルの知られざる日常を掘り下げたりと、本編の裏側を知ることができる内容になっている。

円盤（DVD・Blu-ray）の売上

テレビシリーズ（1979年放送）のDVDやBlu-ray BOXは、長年にわたって複数回リリースされてきた。
ただし、1970年代当時の放送アニメであるため、円盤販売に関する明確な公式データは少ない。後年発売されたBlu-ray BOXの初動販売数は約500枚前後とされており、これは再販時の数字であるため、作品人気を直接示すものではない。

当時はテレビ視聴と再放送が主な視聴手段であり、円盤による収益よりも再放送や舞台化、関連書籍によるロングセラー構造が中心だった。
2025年公開予定の劇場版アニメについては、Blu-ray／DVD化がすでに告知されており、公開後の売上データが今後の“再ブーム”を測る指標になると予想されている。

原作のストック状況

原作漫画『ベルサイユのばら』はすでに完結済みで、新作の物語ストックは存在しない。
しかし、過去には「外伝」や「エピソード編」として、断片的な新作が描かれたことがある。これらは既存キャラクターの視点を変えて描いた短編集的な内容で、主に2000年代に刊行された。

原作の単行本は、これまでに「マーガレットコミックス版」「文庫版」「完全版」「愛蔵版」など複数の形態で再販されており、絶版と再販を繰り返している。
2020年代に入ってからも一部の書店や電子書籍サイトで購入可能であり、電子化によって現在も読みやすい環境が整っている。
ただし、完全新作や続編漫画の発表はなく、今後も池田理代子本人による新章の構想は報告されていない。

原作の売上・発行部数

『ベルサイユのばら』の累計発行部数は、報道や出版関係者の発表によると2,000万部以上とされている。
少女漫画としては歴史的な大ヒット作であり、1970年代当時の少女漫画ブームを牽引した存在である。

また、再版・文庫化・愛蔵版などを含めると、トータルの出荷部数はさらに増加しているとみられる。
特に宝塚歌劇による舞台化やテレビアニメの再放送時期には、売上が再上昇し、40年以上経った現在でも安定した人気を保ち続けている。

日本国内だけでなく、フランスをはじめとしたヨーロッパでも出版・翻訳され、海外累計でも高い売上を記録している点が特徴的である。

アニメと原作の違い

アニメ版と原作漫画にはいくつかの相違点が存在する。主なものを挙げると以下の通りである。

1. 構成とテンポの違い
   　原作の複雑な政治背景や心理描写を、アニメでは40話に圧縮しているため、展開がスピーディで、エピソードの省略・統合が多い。

2. キャラクターの描き方
   　アニメではドラマ性を高めるために、オスカルとアンドレの恋愛描写がより強調されている。一方、原作では思想的・社会的な葛藤がより重視されている。

3. 結末の演出
   　アニメ版は視聴者に感情的な余韻を残すよう演出が変更されており、音楽や映像効果による演出が強められている。

4. 脇役や補足エピソードの扱い
   　原作では多くの貴族や平民の群像劇的描写があるが、アニメでは主役4人（オスカル・アンドレ・アントワネット・フェルゼン）に焦点が当てられている。

5. 新規エピソード・改変
   　一部アニメオリジナルの挿話が挿入されており、原作にはないオスカルの軍人としての活躍や、アントワネットの心情描写が追加されている。

総じて、原作が文学的・社会派的であるのに対し、アニメ版は感情重視・ドラマティックなエンターテインメントに仕上げられている。

作者・池田理代子の他の代表作

池田理代子は、『ベルばら』以外にも数々の名作を生み出している。代表的な作品は以下の通り。

• 『おにいさまへ…』（1974年）
  　女子学園を舞台に、友情・嫉妬・孤独といった人間関係の心理を繊細に描いた作品。後にNHKでアニメ化され、高い評価を得た。

• 『オルフェウスの窓』（1975～1981年）
  　ドイツの音楽学校を舞台に、芸術・革命・恋愛が交錯する壮大な人間ドラマ。『ベルばら』に並ぶ重厚な作風で、歴史的背景とロマンスが融合している。

• 『栄光のナポレオン ‒ エロイカ』（1986～1995年）
  　ナポレオン・ボナパルトを中心に、フランス革命後の時代を描く大河作品。『ベルばら』の登場人物が一部登場するため、実質的な続編と位置づけられる。

これらの作品はいずれも、歴史・政治・愛といったテーマをベースに、人間の精神的成長や苦悩を描いており、池田理代子の作家性が明確に表れている。

類似のおすすめ作品

『ベルサイユのばら』と同様に、壮大なスケールと人間ドラマを描く作品として、以下の漫画やアニメが挙げられる。

• 『オルフェウスの窓』（池田理代子）
  　芸術と革命をテーマにした姉妹作的存在。

• 『日出処の天子』（山岸凉子）
  　古代日本を舞台に、聖徳太子の内面を描く歴史ロマン。

• 『エマ』（森薫）
  　19世紀イギリスを背景に、身分差を越えた恋を描く上品な時代劇。

• 『風と木の詩』（竹宮惠子）
  　ヨーロッパを舞台にした耽美と悲劇の青春群像劇。

• 『ベルサイユのばら Kids』
  　子ども向けにアレンジされた派生作で、親しみやすいキャラクター展開が楽しめる。

いずれも、「歴史」「愛」「宿命」といったテーマを丁寧に掘り下げた作品であり、ベルばらの魅力に通じる世界観を持つ。

まとめ

『ベルサイユのばら』は、1970年代の少女漫画界に革命を起こした不朽の名作であり、今もなお多くのファンに愛されている。
アニメ版は全40話で完結しており、直接的な続編は存在しないものの、2025年に完全新作劇場版が公開予定で、再び注目を集めている。

原作はすでに完結しているが、外伝・エピソード編・続編的作品によって世界観が補強されており、累計発行部数は2000万部を超える。
アニメと原作では描写や構成に差があるが、いずれもオスカルとアントワネットの運命的な生涯を中心に、華やかでありながら悲劇的な物語を紡ぎ出している。

池田理代子の他の作品にも同様のテーマや美学が通底しており、『ベルサイユのばら』は日本の少女漫画史において、今も揺るぎない象徴的存在として輝き続けている。