『ベイビーステップ』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

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2期・続編の可能性

アニメ『ベイビーステップ』はNHK Eテレにて放送され、第1期（2014年）と第2期（2015年）までが制作されています。制作はぴえろ＋で、全50話構成です。第2期では主人公がプロへの道を模索し始める展開で終わり、まだ物語的には途中段階でした。

しかし、現時点で第3期（続編）の公式発表はありません。多くのファンが「続きが気になる」「プロ編をアニメで見たい」と望んでいますが、以下の理由から実現の可能性は低いと考えられます。

原作がすでに完結している
　物語としては完結済みで、新しい展開を原作に基づいて作ることは難しい状況です。
商業的採算の問題
　アニメ第1期・第2期ともに円盤売上が伸び悩み、制作費を十分に回収できる水準には達しませんでした。円盤が数千枚レベルで売れる作品が多い中、『ベイビーステップ』はそのラインに届いていなかったと推測されます。
放送から時間が経過
　第2期の放送から10年近くが経過しており、当時の制作スタッフや声優陣のスケジュール、契約などを再構築するのは困難です。
打ち切りに近い完結
　作者自身が最終巻で「力不足でした」とコメントしており、物語を十分に描ききる前に完結を余儀なくされた可能性もあります。そのため、アニメ化する上で完璧な結末を再現しづらい点もあります。

このように、続編が発表されていない背景には、商業面と制作環境の両方の要因があります。とはいえ、人気は根強く、電子書籍での再注目やSNSでの盛り上がりが続けば、再アニメ化やリメイクの可能性は完全にゼロではありません。

アニメの続きはどこから読めばいい？

アニメ第2期の最終話では、主人公・栄一郎がアメリカ留学を決意する場面までが描かれています。
原作漫画では、この展開は19巻あたりに該当します。
そのため、アニメの続きから読みたい人は、コミックス20巻から読み始めるのが最適です。

以降の原作では、栄一郎がアメリカでの修行・留学生活を経て、プロテニスプレイヤーとしての覚悟を固める過程が描かれます。世界の壁に挑む彼の姿や、成長したキャラクターたちとの再会など、アニメでは未描写の名シーンが数多く存在します。

円盤（DVD・BD）の売上

『ベイビーステップ』のDVD・Blu-rayはNHKエンタープライズより発売されましたが、アニメ円盤市場全体で見ても販売枚数は少なく、平均的に1巻あたり数百〜数千枚の範囲と推測されています。
アニメの続編が制作されるためには通常、1巻あたり5000枚前後の売上が目安とされています。したがって、商業的には採算ラインに届いていなかったと考えられます。

また、NHKでの放送作品という点も関係しています。NHK作品は商業アニメスタジオとは異なり、スポンサー収入やグッズ展開が限定的で、視聴率や教育的意義を重視する傾向があるため、円盤売上が直接的な続編制作の判断材料にはなりにくいものの、それでも高い販売実績は確認されていません。

原作のストック状況

原作はすでに全47巻で完結済みのため、未映像化部分は豊富に存在します。
アニメ第2期は19巻までしか描かれていないため、単純計算で残り28巻分のストーリーがアニメ化されていません。
もし3期を制作する場合、原作の後半（20巻〜47巻）を2〜3クールで描けば完結まで到達することができます。
ストックとしては十分であり、素材面に問題はありません。

原作の売上・発行部数

『ベイビーステップ』は、連載期間中に累計発行部数1000万部を突破しています。
最終巻刊行後も電子版での販売が好調で、紙＋電子の累計で約1260万部以上とされています。
1巻あたりの平均販売数は20〜30万部前後で、週刊少年マガジン連載作品の中では中堅〜上位クラスの実績を持ちます。

アニメ化が決定した時点（2013年ごろ）で約500万部に到達しており、その後も着実にファンを増やしました。スポーツ漫画としては大ヒットとは言えないものの、安定して高評価を得ていたことは確かです。

アニメと原作の違い

アニメ版は、原作を忠実に再現しながらも、テンポや視聴者の分かりやすさを優先して一部の要素を調整しています。主な違いは以下の通りです。

心理描写の省略
　原作では主人公の心の動きや思考が非常に細かく描写されているのに対し、アニメではテンポ重視で内面描写がカット・簡略化されています。
試合の描写
　テニスの戦術・データ分析などをリアルに描く原作に対し、アニメでは視覚的に分かりやすくするため演出がやや派手になっています。
オリジナル展開の追加
　NHKアニメらしく、一部エピソードでは教育的メッセージや友情描写を補う形でオリジナル要素が加わっています。
構成の再編
　アニメではストーリーの順序が調整され、視聴者に伝わりやすいように再構成されています。特に2期では練習や試合の描写順序が一部入れ替わっています。

作者・勝木光の他の作品

勝木光は『ベイビーステップ』が代表作であり、他に長期連載された有名作品はありません。
デビュー作にして10年間続いた本作で、作者は緻密な取材とテニス理論の研究を重ねました。連載終了後、勝木は「力不足で終わってしまったが、多くを学んだ」とコメントしており、再び新作に挑戦する構想があったことを示唆しています。
ただし、2025年現在も次回作の連載情報は公表されていません。

類似のおすすめ作品

『ベイビーステップ』と同じく「努力」「戦略」「成長」をテーマにした作品として、以下が特におすすめです。

『ハイキュー!!』：チームでの努力と個人の成長を描く王道バレーボール漫画。
『弱虫ペダル』：分析と努力を武器に成長していく自転車競技漫画。
『アオアシ』：戦略的思考とチームプレーの融合を描いたサッカー漫画。
『ダイヤのA』：努力と才能の対比を描く高校野球漫画。
『テニスの王子様』：同じテニス題材ながら、よりエンタメ性と演出を重視したスタイル。

これらの作品は、それぞれ「成長」「挑戦」「戦略思考」という共通軸を持っており、『ベイビーステップ』が好きな人には特に響く内容です。

まとめ

『ベイビーステップ』は、理論と努力を軸にした現実的なスポーツ漫画として高い評価を受けた名作です。
アニメは第2期まで制作されましたが、第3期の可能性は低いとされています。
ただし、原作は完結済みで、アニメの続きは20巻から読むことで最後まで楽しむことができます。

売上面では中堅クラスながら、累計1260万部を超える安定した人気を誇り、今なお根強い支持を得ています。
派手な演出よりも、努力や分析、地道な成長を重視するストイックな物語は、現代でも色あせない魅力を持っています。
「一歩ずつ進む」というテーマは、スポーツに限らず、人生そのものへの示唆として多くの読者に響く作品です。