『咲う アルスノトリア すんっ！』2期の可能性やアニメの続きはどこから読めばいい？

2期・続編の可能性

2022年7月から9月まで全12話で放送されたアニメ『咲う アルスノトリア すんっ！』ですが、現時点で第2期や続編制作の発表はありません。
続編の可能性を判断する上で重要な要素は以下の通りです。

1. 円盤（Blu-ray・DVD）の売上
   公開されているデータによれば、Blu-rayの初動売上はおよそ100枚前後とされています。
   一般的に、続編制作ラインとしては平均4000枚以上が目安とされるため、数字だけ見ると非常に厳しい結果です。

2. 原作ゲームの状況
   原作であるスマートフォンRPG『咲う アルスノトリア』は、2023年3月31日をもってサービス終了しました。
   原作が継続していればメディア展開の余地もありましたが、サービス終了によってストーリーの供給源が絶たれた形です。

3. 配信・人気指標
   放送当時、動画配信サイトでの視聴数やSNSでの話題性は一定ありましたが、爆発的ヒットとまでは至っていません。

これらを踏まえると、現時点で「第2期・続編が制作される可能性は極めて低い」と言わざるを得ません。ゲーム終了後もファンの支持はありますが、アニメ制作のための採算面・原作素材の不足が最大の障壁となっています。

アニメの続きはどこから読めばいいか

アニメ版は、ゲームおよびコミカライズをベースにした“日常パート中心”の構成です。ゲーム本編のストーリーをそのまま描いたものではなく、学園生活の穏やかな部分を切り取った内容になっています。

アニメ終了後に続きを知りたい場合は、以下の順で補完するのが良いでしょう。

1. コミカライズ版『咲う アルスノトリア すんっ！』
   はっとりまさきによる漫画作品で、「月刊ドラゴンエイジ」にて連載されました。単行本は全2巻。アニメの雰囲気を踏襲しつつ、キャラクター同士の細やかな日常や学園内での出来事がより丁寧に描かれています。

2. 小説版『咲う アルスノトリア すんっ！ 孤島の魔法鉱物学実習』
   櫂末高彰によるノベライズ作品で、アニメでは語られなかった特別授業のエピソードを収録。アニメ後の空白を埋めるような外伝的位置づけの物語です。

なお、原作ゲーム本編は既にサービス終了のため、新規プレイや公式シナリオの閲覧はできません。ゲームのストーリーを追いたい場合は、過去のイベントシナリオやファンによる記録を参考にするしかありません。

円盤の売上（DVD・BD）

Blu-ray・DVDの売上は、およそ100枚前後とされています。
この数字はアニメ業界の基準で見ると非常に低く、商業的な成功とは言えません。多くのアニメ作品では、平均3000〜5000枚を超えると黒字圏内に入り、続編の企画が検討されるラインに到達します。

本作の場合、円盤売上が低迷した理由として以下が考えられます。

• ストーリーがゆるやかで盛り上がりに欠けると感じた視聴者も多かった。

• 原作ゲームのファン層が限定的で、一般アニメファンへの浸透が難しかった。

• 同時期に放送された他作品の人気が強く、視聴の競合が発生した。

ただし、ビジュアルや音楽・声優陣の演技は高評価を得ており、内容面では一定の支持があります。

原作のストック状況

原作はスマホRPG『咲う アルスノトリア』ですが、先述の通り2023年3月でサービス終了しています。
そのため、新しいストーリーや追加エピソードの供給は止まっており、アニメ2期を作るための“原作ストック”はほぼ存在しない状態です。

コミカライズと小説版もそれぞれ完結済みで、原作となる新しい素材は現時点で出ていません。
仮に続編を制作する場合、完全オリジナル脚本で構成する必要があるでしょう。

原作の売上・発行部数

『咲う アルスノトリア』シリーズ全体の発行部数やダウンロード数など、具体的な販売データは公表されていません。
ただし、ゲーム運営期間やコミックの刊行点数から推測するに、メディア展開は中規模止まりだったと考えられます。

コミック単行本（全2巻）はドラゴンエイジの読者層に一定の人気があり、特にキャラクターの可愛らしさと独特の世界観が好評でしたが、大ヒットと呼べるほどの売上ではありません。
全体的に、熱心なファンは多いものの、商業的な拡大には至らなかった印象です。

アニメと原作の違い

アニメ版『咲う アルスノトリア すんっ！』は、ゲームのシリアスなメインストーリーをあえて描かず、学園の日常パートに焦点を当てています。
ゲーム内では「魔法学園に通う少女たちが“本当の魔法”を探すRPG」という設定で、バトルや外の世界の出来事も登場しましたが、アニメではあくまで彼女たちの穏やかな日々が中心。戦闘や危機はほとんどありません。

この構成によって、アニメは“癒し系ファンタジー”として評価される一方、「ストーリーが動かない」「ゲーム本編を知らないと世界観が分かりにくい」といった意見も見られました。
最終話ではやや意味深な演出があり、裏に隠された真実を想像させるような終わり方をしており、物語の解釈をファンに委ねています。

作者（原案会社）の他の作品

原案・企画を手がけたのは、ビジュアルノベルブランド「ニトロプラス」。
代表作には以下のような作品があります。

• 『STEINS;GATE（シュタインズ・ゲート）』

• 『CHAOS;HEAD（カオスヘッド）』

• 『装甲悪鬼村正』

• 『沙耶の唄』

• 『Fate/Zero』（原作協力として参加）

これらの作品はいずれも重厚でシリアスな物語が特徴的ですが、『咲う アルスノトリア』はその中でも異例の「癒し系」方向に振り切った作品です。
ニトロプラスらしい深層設定や独特の言葉遣いは健在であり、可愛いキャラクターの裏に“どこか不穏な空気”を漂わせる作風は同社らしい特徴といえます。

類似のおすすめ作品

『咲う アルスノトリア すんっ！』が好きな人におすすめの、世界観や雰囲気が似ている作品を紹介します。

• 『ご注文はうさぎですか？』
  可愛い女の子たちが織りなす日常系アニメ。ほのぼのとした空気感が近い。

• 『魔法少女まどか☆マギカ』
  日常と魔法、そしてその裏の重いテーマという対比が『アルスノトリア』の本質に通じる。

• 『ゆるキャン△』
  穏やかな友情やスローな時間の流れを楽しむという点で共通している。

• 『リコリス・リコイル』
  少女たちの絆とアクションの融合。雰囲気の対比を楽しみたい人におすすめ。

• 『がっこうぐらし！』
  一見日常系に見えながら、その裏に異変が潜む構成が共通。

まとめ

『咲う アルスノトリア すんっ！』は、ニトロプラスの新しい方向性を示したファンタジー日常アニメであり、独特の詩的な雰囲気と少女たちの可憐な日常描写が魅力の作品です。
しかしながら、アニメ第2期や続編の可能性は低く、円盤売上や原作の終了状況から判断しても、現状で新展開が動く兆候は見られません。

それでも、アニメの柔らかい空気感やキャラクターの魅力、そして世界観に惹かれたファンは多く、コミック・小説といったメディアを通じて今も作品世界を愛し続けています。
もしこの作品に興味を持ったなら、ぜひ漫画版や小説版を手に取ってみると、より深く「咲う アルスノトリア」の世界を感じられるでしょう。